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電子部品は私たちの生活にかかわる様々な製品に使用されています。デジタル化が進んだことで半導体などの電子部品への需要はさらに高まりましたが、新型コロナウイルスなどの影響で電子部品が不足しているというニュースを目にする機会が増えたのではないでしょうか。

しかし、2023年現在では供給量が需要を上回り、電子部品の在庫が超過しているということが問題になっています。

この記事では、なぜ電子部品の不足が起きたのかという背景と在庫超過を含めた今後の予測についてまとめています。

電子部品とは

電子部品とは、電子回路に使用する部品のことです。

一般的に電子部品といわれるものは、半導体とほぼイコールと考えて良いでしょう。

 電子部品は大きく分けて「能動部品」、「受動部品」、「機構部品」の3つに分類できますが、この中の「能動部品」が主に半導体に分類されます。

電子部品は様々な家電や情報端末、自動車など多くの機械製品に組み込まれており、電子制御や通信装置としての役割を果たしています。半導体はその電子部品の中で、コンピュータとして計算と制御を司っているという関係です。

電子部品と半導体は全く同じものではありませんが、電子部品を作るには半導体が必要になってきます。そのため、この記事では電子部品の不足=半導体の不足として解説していきます。

電子部品は何に使われている?

電子部品は、今や私たちの生活には必要不可欠なものになっており、生活の至る場面で使われています。ここでは、私たちの生活において電子部品が活用されている例について紹介します。

  • 自動車
  • 家電
  • 通信機器
  • 社会インフラ

自動車

半導体には様々な種類がありますが、自動車には車載用半導体が用いられています。

エンジンやブレーキといった車の基本的な制御分野のみならず、カーナビなどの情報系のシステム、ダッシュボードや電動ミラーなどの車体部分にも半導体が使用されています。

近年注目されている電気自動車やハイブリット車になると、さらに多くの半導体・電子部品が使われています。

家電

家の中にある電化製品や電気機器にはほぼ全て電子部品が使われていると考えていいでしょう。

例えばエアコンについて取り上げてみると、エアコンで温度設定をすると実際にその室温になるように調整されるのはセンサという半導体が使用されているためです。

さらに、炊飯器に関して見てみると、お米を炊く際にスイッチを押すだけで良いのは、中の半導体が火力を制御しているからです。

これらの家電の他にもテレビやカメラなどにも使われており、これらの家電の画質が年々よくなっているのは電子部品の性能が高まっているからとも言えます。

通信機器

今やほとんどの人が持っているといわれているPCやスマホにも電子部品が使われています

PCやスマホは使用頻度の高さからもスペックが良い・悪いなどが注目される観点ですが、処理速度などは中の電子部品の質によって変わります。通信機器においても電子部品は重要な役割を果たしています。

社会インフラ

新幹線や電車、銀行ATM、、インターネット、発電所、水道局など、生活に必要不可欠な社会インフラにはほぼ全て半導体が使われています

医療機器などにも半導体が使用されているため、私たちが健康に、快適に生活するためにも半導体・電子部品は非常に重要です。

電子部品が不足していた理由

電子部品には半導体が使われているということを導入部分において説明しました。しかし、その半導体が2021年〜2022年にかけて不足しており、世界的にも大きな混乱を招いていました。

ここではなぜ電子部品・半導体が不足する事態となっていたのか、その理由について解説します。

  • パンデミックによる生産の停止
  • 対中制裁
  • 車載用半導体の不足

パンデミックによる生産の停止

まず、半導体不足になった原因の一つとして、新型コロナウイルスの感染拡大が挙げられます。

2020年始めに感染が拡大し始めた新型コロナウイルスの影響により、世界各国でロックダウンが行われました。厳しく外出を制限する制度であったため、半導体生産工場に勤務している労働者も自宅待機を余儀なくされ、労働者が来れない工場は稼働することができなくなりました

そのため、半導体の生産量が減り供給不足になりました。

対中制裁

2020年後半から世界的な半導体不足が知られるようになりましたが、その発端として2019年頃から続く米中の貿易摩擦が原因の一つとなっています。

貿易摩擦への措置として米国は中国の対象企業からの輸入を規制しましたが、その中に中国の半導体大手会社も含まれていました。

米国は半導体の不足を補うため台湾からの輸入に切り替えましたが生産が追い付かなかったため、半導体の供給が減少する一因となりました。

車載用半導体の不足

半導体が不足していた理由として、半導体の中でも主に車載用の半導体が不足していたことが挙げられます。2020年始めに感染が拡大し始めた新型コロナウイルスの影響により、企業でのテレワークの導入や学校でのオンライン授業が普及しました。

これによりPCやスマホの需要が高まったため、スマホやPCに使用されている半導体への需要も高まりました。この需要に対応するため、半導体メーカーがスマホやPC用の半導体生産をメインに行ったことで、反対に車載用の半導体の供給が不足しました。

電子部品には半導体が使用されているものが多いため、これらの影響を受け電子部品の供給も不足したということになります。

電子部品の在庫超過における今後の見通し

2022年までは在庫が不足していた電子部品ですが、2023年現在では供給量が多すぎて在庫超過になっています。

電子部品の在庫はどのように推移していくのでしょうか。

今後の予測について解説します。

  • 電子部品不足から在庫超過で調整へ
  • 自動車向け半導体不足は底を抜け解消へ

電子部品不足から在庫超過で調整へ

これまで電子部品が不足していましたが、パソコンやスマートフォン向けの半導体の価格が下落するなど一部の半導体は在庫回復の兆しが見られます。

また、半導体のリードタイム(発注から納品までにかかる日数)も短縮しており、生産スピードが需要に追いついたことがわかります。

大和総研による半導体の需給分析によると、半導体市場全体への需要は2021年をピークに減少傾向にあります。これは、半導体を用いる製品の国内生産の景気があまり良くないことに加え、海外での需要も減少したことが原因と考えられます。

需要の拡大に対応するため、電子部品・半導体商社は在庫を積み上げてきましたが、需要が減少してきたため、膨大な量の在庫を抱える事態となっています。2022年9月時点で2019年の在庫の約2倍になっており、在庫削減に向けての調整が進んでいます。

半導体への需要が緩和しているのはパソコンやスマートフォン向けの半導体が主で、車載用の半導体への需要は現在でも高く、供給が追いついていない状況です。

しかし、スマートフォンやパソコン向けの半導体の需要が緩和していることから、生産は車載用に向きやすくなると予測されます。

参考:「電子部品」「半導体」、商社が在庫削減に動き出した|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

参考:半導体不足の解消は進んでいるのか?|大和総研

車載用半導体の今後について以下で説明します。

<h3>自動車向け半導体不足は底を抜け解消へ</h3>

自動車向け半導体の不足から、各自動車メーカーは自動車の減産を余儀なくされてきました。しかし、2023年現在では車載用半導体の不足は底を抜け、解消に向かっています。

生産台数世界トップのトヨタ自動車を見てみると、2021年夏頃の自動車生産台数が最も少なくなりましたが、それ以降は生産数も回復してきていることから、車載用半導体不足は解消してきているようです。

日本だけではなく、アメリカにおいても解消の兆しが見えています。日本と同様、2022年の夏を堺に、自動車の販売数、在庫数ともに増加に転じていることから車載用半導体の在庫回復が自動車の販売回復につながっているということになります。

参考:収束に向かう自動車業界の半導体不足 半導体を制する者が自動車業界を制す? | 三井住友DSアセットマネジメント

まとめ:電子部品在庫の売買ならレスターマッチングサービスがおすすめ

電子部品は半導体が使用されているものが大半を占めるため、半導体不足の影響を受けて電子部品の供給も減少しました。電子部品・半導体のサプライチェーンは各国とのつながりが強いため、自社の状況だけではなく国際状況を踏まえた需要予測、供給計画が重要になってきます。

これまで在庫不足が問題となっていた電子部品ですが、過剰供給から在庫超過になっており、各メーカーは在庫調整をしていく必要があります。在庫を処分したいけれど売り先が見つからない、需要がある取引先を見つけたいと考えている企業も多いと思います。

その場合、レスターマッチングサービスがおすすめです。
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