インターネットの発展・普及によって、オンライン上での情報収集や消費も可能となり、消費者の行動も多様化・複雑化しているため、変化する消費者の価値観・行動に合わせて企業も適切なマーケティング施策を実施することが求められています。
煩雑化・複雑化するマーケティング活動を効率的に行うために、マーケティングツールの導入を検討している企業も増えています。
マーケティングツールは、利用目的によって種類が様々あるため、導入目的別に特徴を理解し導入することで期待する効果を得られます。
この記事では、マーケティングツールの種類やマーケティングプロセス別の利用するべきツール、選ぶ際のポイントについて紹介します。
マーケティングツールとは?
マーケティングツールとは、マーケティング活動を改善・効率化するための支援ツール全般を指します。
マーケティングの領域は、市場調査や分析、商品開発、販売促進、効果分析など業務領域が多岐に渡ります。それぞれの業務に合わせたマーケティングツールが展開されているため、活用することで業務の効率化を期待できます。
具体的には、顧客情報の一元管理や商談状況の可視化、リードのスコアリングなどの機能を備えているツールがあります。
それぞれのツールの特徴を理解し、自社の業務のどの部分を効率化したいのかを合わせて選ぶことが重要です。
マーケティングツールの種類
マーケティングツールの種類の代表的なものとして、以下の7つを紹介します。
- CMS
- ABM
- MA
- SFA
- CRM
- 広告効果測定・アクセス解析ツール
- SEO・Web広告ツール
CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)
「CMS」とは「Contents Management System:コンテンツ・マネジメント・システム」の略でWebサイトの制作を簡易化する目的で使用されるツールです。
Webサイトを構成するテキストや画像、サイト全体のデザインやレイアウトなどを、一元的に管理・更新するシステムです。専門的なツールがなくてもサイト情報の更新やデザインの変更を行うことができるため、初心者でも直感的に利用することができます。
ABM(アカウント・ベーズド・マーケティング)
ABMとは「Account Based Marketing(アカウント・ベースド・マーケティング)」の略で、優良な顧客になりそうな企業を選定するために利用するBtoBマーケティングのツールです。
ABMでは企業ごとの取引履歴や企業向けに行なった実施施策、結果などを確認することができるため、分析することでターゲット企業に合わせた最適なマーケティングを行うことができます。
部署間で情報を共有することができるため、営業とマーケティング部でスムーズに業務の引き継ぎができるといったメリットもあります。
MA(マーケティング・オートメーション)
MAは「Marketing Automation(マーケティング・オートメーション)」の略で、マーケティング活動の自動化・効率化を実現するためのツールです。
見込み客の獲得や管理、メールの作成、管理、広告の配信、リード顧客の抽出などを行うことができます。
サイトでCVまで至った顧客を抽出したり、見込み客の購買意欲のスコアリング機能によってそれぞれに最適なアプローチができたりするため、見込み客の抽出から育成までを行うことができます。
SFA(セールス・フォース・オートメーション)
SFAとは、「Sales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)」のことで、営業支援ツールのことを指します。
営業に関連して発生する業務を効率化するツールでインサイドセールスやフィールドセールスなどの領域で使用することができます。
案件管理や顧客管理を効率化でき、代表的な機能として顧客の名刺を自動管理する機能が挙げられます。商談の進捗も管理できるので、アプローチした時期や提案回数などを顧客別に把握することも可能です。
売上予測金額やレポート、スケジュールの管理なども行えるため、業務の属人化を防ぎ、組織で情報を共有することができます。
CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)
CRMは「Customer Relationship Management」の略で、顧客管理システムのことです。
顧客に関するあらゆる情報を一元的に管理することができ、顧客の氏名や性別といった基本情報から商品の購買日や店舗への来店日、購入総数などもデータとして蓄積することができます。
これらの情報をもとに既存顧客への最適なフォロー、顧客満足度の上昇を図ることができます。
広告効果測定・アクセス解析ツール
広告効果測定やアクセス解析ツールは、Webマーケティング活動の効果測定を行う上で重要なツールです。
広告効果測定ツールを活用することで、配信した広告からどれだけの人にアプローチできたか、アクションを起こした顧客はどれくらいかといった効果を確認することができます。
アクセス解析ツールは、サイトへの訪問者数や訪問者の属性、使用ツール、流入経路、コンバージョン率などを確認することができます。
どちらのツールも導入することで、施策による効果を把握できるようになるため、PDCAを回してさらなる効果を得るための施策を打ちやすくなります。
SEO・Web広告ツール
SEOツールは、検索エンジンでの表示順位を上げるために行う対策に用いられるツールで、自然検索によるWeb集客に必要なデータを収集・分析することができます。
競合サイトへの流入数を確認したり、指定キーワードでの表示順位を確認したりすることができます。
Web広告ツールは、Web広告の運用を自動化することにより広告運用業務の時短を期待できます。広告効果測定機能や媒体を横断した広告調整機能などがあるため、Web広告の出稿を考えている場合や出稿したけれど効果がない場合に効果的に活用できます。
マーケティングの基本プロセス
マーケティングには一連のプロセスがあり、それぞれのプロセスを理解してツールを選ぶことが重要になります。
まずはマーケティングのプロセスについて理解しましょう。
- ターゲティング
- 集客(リードジェネレーション)
- 育成(リードナーチャリング)
- インサイドセールス・フィールドセールス
- アフターフォロー・リサイクル
- マーケティング施策の分析・改善
1. ターゲティング
まずはターゲティングを行います。自社の商品やサービスを売り込む相手を絞り込むプロセスで、顧客の属性や特徴の他に、市場の現状や将来性、競合の有無なども分析します。
ターゲティングでターゲットを絞り込むことで自社の商品・サービスに適した顧客に効率的・集中的にアプローチすることができるようになるため費用対効果の高まりを期待できます。
顧客の分析と同時に、市場や競合の分析を行います。市場の将来性が見込めなかったり、競合が強すぎて優位性をとれる可能性が低い場合などには、市場に参入しても事業をして成功する可能性が低くなるため、ターゲティングの段階での分析が必要になります。
2. 集客(リードジェネレーション)
ターゲティングが終わったら、集客のフェーズに入ります。集客はリードジェネレーションとも呼ばれ、見込み客を集めるプロセスになります。
自社の商品・サービスに興味のあり将来顧客になりそうな顧客の情報を集める段階です。
WebサイトやWeb広告、SNSなどを使ってユーザーの属性情報やメールアドレスなどの基本情報をリード顧客の情報として管理します。
このフェーズでは、多くの顧客情報を集めるため、できるだけ多くの人と接点をもてるような施策が必要になります。
3. 育成(リードナーチャリング)
育成は、集客(リードジェネレーション)の段階で獲得した見込み客を育成するプロセスです。メルマガやSNSなどを使って、定期的に情報を配信したり、適切な広告を配信することで、見込み客にとって有益な情報や、求めるものを積極的に提供し購買意欲を高めることができます。
継続的にアプローチすることで良好な関係を築くことができれば優良な顧客になる可能性があります。
4. インサイドセールス・フィールドセールス
次に直接的に顧客にアプローチする段階に入ります。
インサイドセールスとは、電話やメール、チャットなどを用いて行う非対面の営業活動のことです。フィールドセールスとは、担当者が顧客のもとへ足を運び対面式で行う営業活動のことです。
インサイドセールスで顧客を選別し、受注までつながりそうな優良顧客をフィールドセールスに引き継ぐことで効率的な営業活動を実現できます。
5. アフターフォロー・リサイクル
営業を通して商談が成立したらアフターフォローを行い、顧客との長期的かつ良好な関係維持を試みる段階に入ります。これをアフターフォローと言います。
商品やサービスに不満がないか定期的にヒアリングを実施したり、アップセルやクロスセルを行いさらなる販促を進めたりします。
商談が不成立だった場合は、受注に至らなかった見込み顧客に対し、再度ナーチャリングを行います。これを、リサイクルといいます。受注に至らなかった原因を解明し、次に商談につながりそうなタイミングが来た時に備えて準備しておきます。
6. マーケティング施策の分析・改善
マーケティング施策を実施した後は、データを収集し、打った施策の効果を分析し、より精度を上げていくフェーズに入ります。
商談や受注の成否に関わらず、施策の効果を検証し分析することでその後の施策においてより高い効果を出しやすくなります。
成功した場合には「何が良かったのか」「何が成約に影響したのか」、反対に、成約まで至らなかった場合には「どこに問題があって顧客が離脱したのか」を知る必要があります。
ある程度予測を立てて施策の一部を変更して検証します。複数の項目を一度に変えてしまうとどの施策に効果があったのか判断できなくなるため、一つずつ変更していくことが大事です。
【プロセス別】利用するマーケティングツール
ここまで紹介してきたマーケティングのプロセスとマーケティングツールを合わせて、どのプロセスでどのツールを使うべきなのかを紹介します。
プロセス | ツール |
ターゲティング | ABM |
集客(リードジェネレーション) | MA |
育成(リードナーチャリング) | |
インサイドセールス・フィールドセールス | SFA |
アフターフォロー・リサイクル | CRM |
マーケティング施策の分析・改善 | アクセス解析ツール |
【ターゲティング】
この段階では、ABMツールを用いるのが効果的です。企業ごとに取引履歴を確認したり購入商品の頻度や種類も確認できるため、どの企業にアプローチするべきなのかを判断するのに役立ちます。
【集客~育成】
この段階では、マーケティング業務の効率化を図れるMAツールの使用がおすすめです。膨大な数のリードに対してそれぞれの属性や興味に合わせた適切なマーケティング施策を自動で打ってくれます。施策の効果も可視化できるため、優先度の高い顧客の判別にも役立ちます。
【インサイドセールス・フィールドセールス】
この段階では、SFAツールを利用します。営業活動を効率化できる機能がそろっており、名刺の一元管理や商談フェーズの管理ができます。それぞれの営業担当に属人化しない情報管理機能を利用することができます。
【アフターフォロー・リサイクル】
この段階では、CRMを利用します。顧客単位での情報を管理できるため、顧客情報をもとに適切なコミュニケーションを取ることができ長期的な関係を築くために利用できます。
【マーケティング施策の分析・改善】
この段階では、アクセス解析ツールを利用します。サイトへの訪問者数や訪問者の属性、使用ツール、流入経路、コンバージョン率などを測定できるため、成約した人はどんなルートでコンバージョンに至ったのか、成約しなかった人はどこで離脱したのかを確認することができ、施策改善に役立てることができます。
マーケティングツールの選び方のポイント
ツールの選び方について、様々あるツールから自社に合うためのものを選ぶポイントを紹介します。
- ツールの導入目的を明確にする
- 他ツールとの連携が可能か確認する
- 現場での使いやすさで比較する
ツールの導入目的を明確にする
まずはツールの導入目的を明確にします。どのフェーズのどんな課題を解決したいのか、どのフェーズを効率化したいのかによって選ぶツールが変わります。
自社のマーケティング課題を明確化し、何のためにツールを導入するのかを決めましょう。
他ツールとの連携が可能か確認する
他のツールに連携できるのかも重要なポイントになります。
マーケティングツールはそれぞれのフェーズによって利用すべきツールが異なりますが、一連のマーケティングプロセスを自社で一貫して行う場合は、フェーズごとに異なるツールの情報を連携する必要が出てくる可能性があります。
それぞれのツールを連携できた方が五月雨式にツールを導入した場合でも後々役に立つため、事前に確認しておきましょう。
現場での使いやすさで比較する
現場での使いやすさも重要です。ツールを挿入しても実際にツールを使用する現場の社員が使いこなせないと意味がないため、機能の充実度なども重要ですが現場が使いやすい操作性のツールなのかを確認しましょう。
導入する際に実際の社員にお試しツールを触ってもらうなどして確認することができます。
まとめ:自社に合うマーケティングツールを選ぶなら『レスターマッチングサービス』がおすすめ
マーケティングツールはインターネットの発達によってさらに複雑化・膨大化するマーケティング業務を効率化することができます。
マーケティングのフェーズに合わせてツールを使い分けることで、より優良な顧客の抽出、効果的なアプローチを行うことができるようになり、最終的な結果にもつながりやすくなるでしょう。
マーケティングツールにはフェーズごとにも様々なツールがありますが、MAツールやCRMツールなどそれぞれのツールの中でも様々な企業からサービスが展開されています。
「マーケティングのフェーズについては理解したけれど、適切なツールにも様々なサービスがありすぎて違いがわからない」、「フェーズの検討からツールの検討まで行ってほしい」という方には、『レスターマッチングサービス』がおすすめです。
『レスターマッチングサービス』は、コンサルティング型のビジネスマッチングサービスで、担当者が企業の課題をヒアリングし最適な企業候補の選定から解決策の提案まで行います。
独自のネットワークに加え、他のビジネスマッチングサービスのデータベースや金融機関との連携により幅広い企業を紹介することが可能です。
企業の状況をヒアリングしたうえで担当者が適切な関係先を提案してくれるため、マーケティングツール選びに不安がある方は、相談してみてください。