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スタートアップとは、新たなビジネスモデルを用いて短期間でイノベーションを起こすことを目的とする企業のことを指します。

スタートアップは、大企業や中小企業と比較して、事業を行なうための資金や人材が不足しているという課題があるため、自己資本で事業を継続するのは難しく、外部からの資金調達が必要になります。

資金調達方法には様々ありますが、それぞれメリットやデメリットがあるため、特徴を理解して利用することが重要です。

本記事では、スタートアップの資金調達方法の種類とラウンド別の調達方法の違いについて紹介します。

スタートアップにおける資金調達の重要性

スタートアップの明確な定義はありませんが、一般的には「新たなビジネスモデルで短期間でイノベーションを起こす企業」を指します。

スタートアップが立ち上げた事業を継続させるためには、経営資金、設備や技術への投資、人材の獲得・育成など様々な費用がかかります。

いちから事業を成長させていくためには、多額の初期投資が必要になりますが得られるリターンも最初のうちは少ないため自己資金のみで必要な資金を賄うことは十分な資金がない限りは不可能です。

そのため、外部からの資金調達が重要になります。

資金調達の方法には様々な種類がありますが、それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、特徴を理解し活用することが大切です。

資金調達の方法

資金調達の方法には、代表的なものとして以下の6つがあります。

  • 出資
  • 融資
  • 社債
  • 補助金・助成金
  • アセットファイナンス
  • クラウドファンディング

1.出資

出資とは、株式を交換して資金調達する方法です。エクイティファイナンスとも呼ばれ、原則として返済義務は生じません。調達した資金は自己資本に充てられるため、安定した経営基盤を作ることができます。

出資での資金調達方法には、ベンチャーキャピタルからの出資とエンジェル投資家からの出資の2つがあります。

ベンチャーキャピタルからの出資

ベンチャーキャピタルとは、スタートアップ企業やベンチャー企業などに投資し、将来投資先企業が上場した際に保有株式を売却することで利益を得ることを目的とする投資ファンドのことです。

ベンチャーキャピタルからの出資では、資金面の調達のほかにも、これまでの投資実績や経験に基づくアドバイスやサポートを受けられることも多く、経営の一助としても活用できる可能性があります。

エンジェル投資家からの出資

エンジェル投資家とは、創業間もない企業に対し資金を個人として供給する人のことです。

投資した企業の成長に伴い利益を得ることを目的としています。経営経験者であることが多いため、投資先の経営に関わってくる場合もあります。

2.融資

融資とは、金融機関からの借入によって資金調達する方法です。企業は借入することを通じて負債を持つことになるため、デッドファイナンスとも呼ばれます。

金融機関からお金を借りて資金調達するため、元本の返済と金利の支払い義務が発生します。金融機関が代表的な借入先ですが、国や自治体が運営している融資など借入先は様々あります。

3.社債

社債とは、企業が資金調達するために発行する債券のことを指します。主に上場企業で行われる資金調達方法の1種で、こちらも資金を借入する形のためデットファイナンスの1つに分類されます。

社債・融資などのデットファイナンスは金融機関などが経営に直接関与しないため、経営の自由度は高いです。

4.補助金・助成金

補助金・助成金は、国や地方公共団体が企業や個人事業主といった事業者に対して、原則返済不要で資金を支給する制度です。

それぞれ審査を通過することで支給を受けることができます。

補助金は主に事業資金として、助成金は雇用促進や人材育成の資金として使用されることを想定としたものになるため、それぞれの用途の違いを把握しておきましょう。

5.アセットファイナンス

アセットファイナンスとは、会社(あるいは経営者)が所持している資産を資金化する方法です。

不動産を担保とした銀行融資や、ファクタリングなどの売掛債権、保険や株式などの金融資産、知的財産権など将来的にキャッシュになる権利を持つ資産は基本的に全てアセットファイナンスの対象になります。

創業したての企業ではこのような資産を持つことが少ないかもしれませんが、資金調達の方法の一つとして抑えておきましょう。

6.クラウドファンディング

クラウドファンディングとは、クラウド(群衆)とファンディング(資金調達)を組み合わせた言葉で、オンライン上で募集をかけ様々な人から少額ずつ資金調達する方法です。

新規事業を行いたい場合などに事業概要を記載し資金を募ることで、共感したユーザーから資金を調達し、目標金額を集めます。

資金調達ラウンドとは

資金調達ラウンドとは、投資先候補の企業が経営においてどのような状況にあるのかを投資家が判断するために、企業の成長段階に合わせて数段階に分けて捉えるための指標で、投資ラウンドとも呼ばれています。

ラウンドごとに資金調達方法が異なるため、自社がどのラウンドに分類されるのかを知っておくことで最適な資金調達方法を知ることができます。

それぞれのラウンドについて、以下で詳しく紹介します。

ラウンド企業状況必要資金
シード期起業前。事業に向けた準備をしている段階数百万~数千万円
アーリー期起業直後。事業は開始されているが、利益は出ていない段階数千万円
シリーズA事業拡大期数千万~数億円
シリーズBマーケティング投資、開発投資が活発化している段階数億円
シリーズC黒字経営が安定化し、IPOやM&Aを見据える段階数億~数十億円
シリーズD安定した収益を得ることができ、本格的にIPOやM&Aを検討する段階数十億円

シード期

シード期は、起業前あるいは起業直後の段階のことです。事業立ち上げに向けた準備や検証を進めるフェーズで、まだプロダクトやサービスを持っていないことが多いです。

事業運営に必要な初期費用を調達する必要がありますが、構想段階のサービスを市場に少しずつ投入しニーズがあるかどうかを含めて検証していくフェーズのため巨額のお金が必要になることは少ないです。

将来的に安定した収益を上げられるか不透明な時期であるため、金融機関などからの融資が受けづらく、資金を調達しにくいラウンドです。

数百万から数千万程度の資金調達額になるでしょう。

主な調達方法としては、自分の貯金や友人・知り合いからの貸出、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルからの投資などがあります。

アーリー期

アーリー期は、プロダクト・サービスの市場投入及び事業化を達成し、顧客からフィードバックを受けながら事業の改善を繰り返し収益化を目指す段階です。軌道に乗っていないため、赤字を計上することが多く、投資家や融資元も資金を投入しづらい段階です。

事業での収益はあまりないものの、人件費や販促費など事業を行う上でのコストを支払う必要があるため、ここで倒産するスタートアップも一定数存在します。

アーリー期における主な資金調達先としては、エンジェル投資家や日本政策金融公庫、ベンチャーキャピタルなどがあります。

シリーズA

シリーズAは、事業が本格的にスタートして規模が拡大しており、PMFが実現していて、プロダクトやサービスを検証している段階です。

事業の方向性や成長性がある程度予測できるようになるため、シード期やアーリー期よりも投資家や融資元が資金を投入しやすくなっている状態です。

シリーズAにおける主な資金調達先としては、日本政策金融公庫、ベンチャーキャピタル、コーポレート・ベンチャーキャピタルなどがあります。調達額としては数千万から数億円程度になるでしょう。

シリーズB

シリーズBは、マネタイズの検証が終わり、プロダクトやサービスも機能拡張をしたり、新製品の開発に踏み切ったりしている段階です。マーケティング投資や開発投資を積極的に投下することで、売上をより拡大していく段階といえるでしょう。

シリーズBにおける主な資金調達先としてはこれまでの日本政策金融公庫、ベンチャーキャピタル、コーポレート・ベンチャーキャピタルに加えて民間銀行からの融資も受けられるようになる可能性があります。

調達額としては数億円程度になるでしょう。

シリーズC

シリーズCは、黒字経営が安定化しており、IPOやM&Aなどを通して株式売却を意識するラウンドです。業績が堅調に推移しており、新規事業開発にも取り組めるような状態です。

資金調達を必要としないほど収益が安定する場合もありますが、市場の影響を受ける可能性もあるため、資金調達は依然として重要なフェーズになります。

シリーズCにおける主な資金調達先としては、民間銀行、ベンチャーキャピタル、プライベート・エクイティ・ファンドなどがあります。調達額は、数億円〜数十億円程度になるでしょう。

シリーズD

シリーズDは、安定して黒字経営を維持できており、IPOやM&Aを具体的に検討するラウンドです。これまで成長させてきた主力事業に力を入れつつも新規事業の開発にも具体的に着手している段階です。業績によっては上場準備に取り掛かる企業も出てくるフェーズになります。

シリーズDにおける主な資金調達先としては、ベンチャーキャピタルやプライベート・エクイティ・ファンドなどが挙げられます。

スタートアップが国から受けられる支援

スタートアップが国から受けられる資金面での支援として、以下の2つを紹介します。

  • 挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)
  • 新規開業支援資金

挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)

挑戦支援資本強化特別貸付とは、資金供給を通じてスタートアップや新規事業の展開、事業の再生などに取り組む方を支援する制度です。

資本性ローンでの借入は自己資本とみなすことができるため、この制度を利用することによって企業の財務体質を強化することができます。また、自己資本の割合が増えることで金融機関からの資金調達が円滑になるという効果もあります。

融資期間中は元金の返済負担がないため、毎月の資金繰り負担を軽減することができ、業績が低調なときは金利負担が小さい設定となるため、資金繰りに苦労している立ち上げすぐの企業でも利用しやすい設定になっています。

対象者次のいずれかの融資制度の対象となる方新規開業資金新事業活動促進資金海外展開・事業再編資金事業承継・集約・活性化支援資金企業再建資金次のすべての要件も満たす方地域経済活性化にかかる事業を行うこと。税務申告を1期以上行っている場合、原則として所得税等を完納していること。
資金使途該当する融資制度に定める設備資金および運転資金
融資限度額7,200万円(別枠)
返済期間5年1ヵ月以上20年以内

参考:日本政策金融公庫「挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)」

新規開業支援資金

新規開業支援資金は、新たに事業を始める人、あるいは事業開始から7年以内の人が必要な設備資金・運転資金を確保するために利用できる融資です。

対象者は幅広いですが、「女性、若手、シニアで創業する方」、「廃業履歴等があり、創業に再チャレンジする方」、「中小会計を適用して創業する方」など、対象者の属性によって詳細の条件などは変わるため、詳しくは公式サイトを確認してみてください。

対象者新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方
資金使途新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金及び運転資金
融資限度額7,200万円(うち運転資金4,800万円)
返済期間設備資金:20年以内運転資金:7年以内

参考:日本政策金融公庫「新規開業資金」

まとめ:スタートアップの資金調達なら『レスターマッチングサービス』がおすすめ

スタートアップの資金調達には、企業の成長段階によってそれぞれ適切な方法があり、調達できる額や支援先も異なります。

それぞれの特徴を理解し、自社の状況に合う資金調達方法を考える必要があります。国や自治体からの資金面でのサポートもあるので、利用できるものがあれば活用することで他の関係先からの資金調達もしやすくなる可能性があります。

実際に「投資家やベンチャーキャピタルから支援を受けたいけれど、自社の状況では支援してもらえるのかわからない」、「自社の状況でどこからどれくらい支援してもらえるのか知りたい」という場合には、『レスターマッチングサービス』がおすすめです。

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