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ビジネスマッチングは、企業の売りたいと買いたいをマッチングさせ、互いに不足しているリソースを補い合うことで事業を推進していくための仕組みです。

銀行もビジネスマッチングサービスを多く展開しており、展示会などのイベント形式での実施やオンライン上での提供などを行っています。

近年、FinTech企業が増加したり、異業種による⾦融分野への参⼊が増えたりと金融機関を取り巻く環境が大きく変化しています。そのため、銀行もより顧客課題に寄り添った課題解決を行うことでの企業価値の向上が求められています。ビジネスマッチングサービスにAIを取り入れることで、ビジネスマッチングを加速させ顧客の課題解決を行う銀行が増えています。

この記事では、銀行によるビジネスマッチングのメリットやデメリット、銀行がAIを活用する理由、AIを使ったビジネスマッチングの事例を紹介します。

銀行がビジネスマッチングを行う理由

銀行がビジネスマッチングを行なう理由として、以下の3つを紹介します。

  • 企業の成長を支援するため
  • 企業についての理解を深めるため
  • 新規取引先の開拓につながるため

企業の成長を支援するため

銀行は経済・社会の発展に貢献するという使命を持っています。そのため、賃金決済や仲介機能を通して、様々な企業の成長を支援していくことも重要な銀行の役割の一つです。

ビジネスマッチングでは、ある企業が抱えている経営課題に対してそれを解決できる企業を紹介しマッチングさせます。企業が抱えている課題としては新規事業の立ち上げや事業拡大、コスト削減など様々考えられますが、これらの課題を解決することで企業の成長につながり、課題解決のためのサービスを提供した企業の成長にも影響します

両社にとって成長の機会となるビジネスマッチングを行うことで、銀行としての使命を果たすことにつながっています。

企業についての理解を深めるため

ビジネスマッチングを行うことで各企業の特徴をより詳細に知ることができます。ビジネスマッチングを行うためには、各企業の強み・弱みを把握したうえで、課題解決につながるサービスや強みを持つ会社を紹介しなければいけません。

これをきっかけに各企業の強みを知ることができれば、ビジネスマッチングとは異なる他の領域で新たな支援につながる可能性もあります。

新規取引先の開拓につながるため

ビジネスマッチングを行うことで新規顧客の開拓につながる可能性も考えられます。例えば融資先ではない企業と既存の取引先がマッチングし、新規事業を開始するとなった場合、事業への融資などを通して、銀行の顧客になる可能性があります。

また、マッチング実績を積んでいくことで、マッチングサービス提供者としての信頼を獲得できるため、新たな取引機会の創出につながる可能性もあります。

銀行によるビジネスマッチングのメリット

銀行がビジネスマッチングを行なうことのメリットについて以下の3つを紹介します。

  • 様々な企業を紹介できる
  • 取引先企業の経営を把握しているため安心
  • 中立的な立場から支援可能

様々な企業を紹介できる

銀行がビジネスマッチングを行う際は、自社の取引先企業の中から紹介することが多くなります。

銀行が普段関わりを持つ取引先企業は多種多様で、会社として存在している場合は必ずと言っていいほど経営を行なっていく中で銀行との関わりをもつでしょう。会社のほかにも個人事業主やフリーランスなどとの関わりもあるため、幅広い業界・業種に精通しています。

地銀の場合は特に、その地域に根ざした銀行のため、同じ地域に所在する企業に関しては特に強みを持つでしょう。

その中から課題解決につながるサービスを持つ企業を紹介してもらうことができるため、自社のみで営業をかけてビジネスパートナーを探すよりも幅広い選択肢の中から解決策を見つけることができます。

取引先企業の経営を把握しているため安心

銀行は取引先企業への融資なども行っているため、各企業の経営状況などもしっかり把握しています。他のサービスや展示会などでマッチングした企業の場合、その時点で会社の経営状況などを把握することは難しいです。

経営面に関して知らないままマッチングや商談を進めていき、実際にマッチングしてみたら実は経営状況があまり良くなかったということがあると本末転倒です。銀行が展開するビジネスマッチングサービスであれば、経営面においても安心して依頼することができます。

中立的な立場から支援可能

銀行が行なうビジネスマッチングのビジネスモデルは、紹介手数料や成約手数料といった成果報酬型であることが多いため、企業の成長を支援するという使命の他に、収益という面でも銀行側にとっては企業同士のマッチングが成立することが望ましいです。

銀行が持つ取引先企業の情報は、財政状況から事業内容まで幅広いため、それらの情報を最大限活用し、仲介者として依頼主・紹介先双方にとってメリットのあるマッチングができるよう中立的な立場で支援してもらうことができます。

銀行によるビジネスマッチングのデメリット

銀行によるビジネスマッチングで考えられるデメリットについて紹介。

  • マッチングが成功するとは限らない
  • 対面の場合スピーディーに進めるのは難しい

マッチングが成功するとは限らない

銀行のビジネスマッチングに関わらず、ビジネスマッチングサービス全体に言えることですが、ビジネスマッチングサービスを利用したからと言って必ず取引先が見つかるとは限りません

銀行から紹介してもらった企業と商談まで進むことができたとしても、話し合いの結果、双方の企業が互いに納得できるようなマッチングでなければ成立しない可能性があります。

また、相談内容や、銀行の取引先企業の事業内容によってはそもそも紹介できる企業がないということも考えられます。

対面の場合スピーディーに進めるのは難しい

銀行が行うビジネスマッチングは、オンラインでのサービスを提供している場合もありますが、ほとんどが銀行への相談や展示会でのマッチングなどです。銀行へ相談する場合は、日程の調整から始まりますし、展示会も開催日時まで待たなくてはいけません。

ビジネスマッチングアプリやビジネスマッチングサイトのように相談内容やプロフィールを記入しておけばレコメンドが来るなどのシステムではないため、商談に進むまで時間がかかる可能性があります。

銀行がビジネスマッチングにAIを活用する理由

銀行がAIを活用したビジネスマッチングを提供する理由として以下の2点を紹介します。

  • 銀行員の工数削減
  • 顧客のマッチングの可能性の拡大

銀行員の工数削減

オンライン上でビジネスマッチングサービスを提供していたとしても、ビジネスマッチングは銀行員や顧客がデータを参照し、人手でそれぞれに最適な企業をマッチングさせるという点がネックになり、活動に限界がありました。

AIを活用しマッチングを自動化することで、銀行員が間に入らずに顧客同士が直接つながることができるようになります。

顧客のマッチングの可能性の拡大

これまでは銀行の担当者が情報をヒアリングした上で最適な企業を選定し、マッチングさせていたため、企業の選定は担当者の経験値による判断が多くなっていました。AIによるレコメンドを活用することにより、人の分析では気づかなかったようなマッチングの可能性が出てくる可能性があります。

銀行のAIを使用したビジネスマッチングの事例

AIを使った銀行のビジネスマッチングの事例について5つ紹介します。

  • 三菱UFJ銀行
  • 四国4銀行
  • 大和証券
  • 京都銀行
  • 山口銀行

三菱UFJ銀行

株式会社三菱UFJ銀行が提供するオンラインのビジネスマッチングサービス「Everyday Business Link System〜Bizry(ビズリー)~」では、2022年1月17日よりAIを用いたレコメンド機能の提供を開始しました。

三菱UFJ銀行が保有するビッグデータとAIを組み合わせ、AIを活用したマッチング候補先の提示機能を追加しています。この機能追加により予期しなかったマッチングが生まれる可能性が増え、更なる利便性向上や、顧客同士の新たな気づきによって商談機会が促進されることが期待されます。

参考:Everyday Business Link System~Bizry~ | 三菱UFJ銀行

四国4銀行

株式会社阿波銀行、株式会社百十四銀行、株式会社伊予銀行、株式会社四国銀行の地方4銀行による包括提携「四国アライアンス」で、ビジネスマッチング事業におけるAI活用実証実験が2019年6月12日より開始されています。

上記の4銀行が担当している各顧客の企業情報や経営課題に基づいた要望をデータベースに集約し、AIを活用することで効率的に企業同士を結び付けるための基盤を構築しました。

開発した基盤では、顧客の要望に基づく最適な企業の選定、商談の状況・結果の管理を行うことができます。


AIの導入により、これまで人が行っていたマッチング候補の企業選定やそれに関わる稼働の軽減、マッチング品質の向上を図り、各銀行の領域を超えたビジネス交流の活性化をを通して地方創生を目指しています。

参考:4銀行をつなぐビジネスマッチングAI活用実証実験を開始 | NTTデータ | NTTデータグループ – NTT DATA GROUP

大和証券

こちらの事例は銀行の事例ではありませんが、同じ金融業界として証券会社の事例を紹介します。

大和証券は2018年11月にビジネスマッチングサービスにAIを導入しました。これまで蓄積してきた顧客データを基に、大和総研が顧客企業に最適なマッチング先を提案する「ビジネスマッチングAI」を開発しました。

過去のマッチングパターンを基に案件ごとにスコアを算出し、スコア上位のものを担当者にメールなどで共有する仕組みとなっています。


大和証券は2010年からビジネスマッチングを手掛けてきており、開始当初は登録は進んだものの、マッチング率は6%程度でした。しかし、ビジネスマッチングAIの活用により、マッチング率は20%まで向上し大幅な改善がなされています。

参考:大和証券がAI活用で果実、ビジネスマッチング率が3倍以上に | 日経FinTech

京都銀行

京都銀行は、全国の金融機関が連携し、地域の中小企業の成長を支援するBig Advanceというプラットフォームを提供しています。

Big Advanceに登録されているユーザーのマッチングニーズをAI分析にかけて類似度を計算し、ある程度類似度があるマッチングニーズをおすすめニーズとしてユーザーのBig Advance上に自動掲載するAI機能を持っています。

参考:京銀 Big Advance (京都銀行)

山口銀行

山口フィナンシャルグループと山口銀行、日立製作所は2018年1月15日にAIを活用して山口銀行が提供するビジネスマッチングサービスを高度化する実証実験を行いました。

実証実験では、銀行が持つ事業データなどを、帝国データバンクが持つ企業の基本情報や販売先・仕入れ先などの取引データなどと合わせて日立のAIで分析することで、マッチングの可能性が高い条件を算出し、その条件を基に、最適なマッチング候補先を抽出するという仕組みです。

山口FGと山口銀行は、実証実験を通じて、ビジネスマッチングサービスにおける業務の効率化、マッチング精度の向上を目指しています。

参考:AIで「ビジネスマッチングサービス」を高度化――山口FGと山口銀行、日立が実証実験へ – ITmedia エンタープライズ

ビジネスマッチングサービスなら「レスターマッチングサービス」がおすすめ

企業の成長を支援し、多くの取引先を持つ銀行は、それらの特徴を活かしてビジネスマッチングを展開しています。

これまでもビジネスマッチングを提供している銀行は多くありましたが、ほとんどが人の手によってマッチング企業の候補の選定を行っており、業務負荷が高かったり経験値に頼った選定となったりしていました。

そのため、AIを導入することによりマッチングを自動化し、精度の向上が期待されています。

レスターマッチングサービスなら、金融機関との連携をしているため銀行と同様の取引先企業を紹介できるだけでなく、独自のネットワークや他のビジネスマッチングサービスのデータベースの連携により幅広い企業を紹介することが可能です。

また、Webサービスとして展開しているため、課題を相談する日時を設けなくてもサイトに記入しておくだけで良いため手軽に相談することができます。

『レスターマッチングサービス』は、コンサルティング型のビジネスマッチングサービスで、担当者が企業の課題をヒアリングし最適な企業候補の選定から解決策の提案まで行ってくれるため、初めての利用でも安心です。

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