EC物流とは、オンラインショッピングにおける。商品の入荷・保管・梱包・発送などの物流業務を指します。
インターネットの普及により、オンラインショッピングが当たり前となった現代では、一般消費者への配送が増え、EC物流への需要が増加しています。
配送スピードの迅速化や個別ラッピング対応などきめ細やかなサービスの提供が消費者に定着しているため、EC物流業務を改善することにより、顧客満足度の向上に直結する可能性も高いです。
この記事では、EC物流の市場規模や業務の流れ、特徴、課題、改善方法を紹介します。
EC物流とは
EC物流とは、EC事業を行う会社が提供する物流プロセスのことです。商品が注文されてから消費者に届くまでの一連のフローを総じて物流プロセスと呼びます。
近年のインターネットの発達により、EC事業も拡大していることからEC物流の重要性も増してきています。
効率的かつ迅速な配送を行うことで顧客満足度の向上にもつながるため、課題の改善が重要です。
EC物流の市場規模
経済産業省の「令和４年度 電子商取引に関する市場調査報告書」によると、2022年の国内BtoCのEC物流の市場規模は22 兆 7,449 億円となっています。対前年比で 2 兆 499 億円増加しており、2013 年からの BtoCのEC市場規模でみると、2022年は約2倍となっています。
このことからもEC事業の伸びとEC物流の需要の高さが見て取れます。
参考：経済産業省「令和４年度 電子商取引に関する市場調査報告書」
EC物流の流れ
EC物流の流れについて紹介します。
- 入荷・検品
- 保管
- ピッキング・出荷検品
- 梱包
- 出荷
入荷・検品
ECサイトで取り扱う商品の仕入れを行います。BtoCのECサイトの場合、多くの種類の商品を小ロットで入荷することが多いため、入荷時にミスが発生しやすくなります。
商品を入荷したら、納品数があっているか、商品に不良がないかなどの観点で検品を実施することで、商品に問題がないかをチェックします。
保管
入荷した商品を検品した後、出荷されるまで商品を保管します。商品の種類や大きさ、数量、出荷頻度によって倉庫内で保管する場所を決めることが重要です。
また、商品によっては、賞味期限や使用期限の管理、倉庫内の温度管理など適切な管理が求められます。
ピッキング・出荷検品
商品の購入注文が入ったら、該当商品のピッキングを行います。作業者はピッキングリストをもとに倉庫内の所定の場所から対象商品を探し出します。
ピッキングができたら出荷検品作業を行い、出荷先別ごとの仕分けや配送先、品番があっているか確認します。
梱包
配送に向けて、商品のサイズに合わせてダンボールや梱包材を用意し、商品を梱包します。
ECでプレゼントが購入されることも増えてきているため、ギフトラッピングなどに対応することもあります。
出荷
梱包が完了した商品を配送業者に引き渡して商品を出荷します。
多品種・小ロットの出荷と迅速な対応が求められるようになっているため、出荷ミスや作業遅延が起こらないように注意が必要です。
EC物流の特徴
EC物流の特徴として以下の4つを紹介します。
- 出荷量が少なく配送先が多い
- ギフトラッピングなど個別の対応がある
- 迅速な発送が求められる
- 顧客とのコミュニケーションや返品対応がある
出荷量が少なく配送先が多い
ECは主にBtoCの取引が多いため、一般消費者の購入が多く、1回あたりの注文量は少ないものの、配送先は多くなる傾向があります。
ECの場合は、倉庫内で取扱商品を保管できるため、実店舗での販売よりも品揃えを豊富にすることができます。
一方で、数多くの配送に対応することになるため、ピッキング商品や配送先などのミスが発生しないよう、きめ細やかな対応が求められます。
ギフトラッピングなど個別の対応がある
ネットショッピングの発達とともに、ECでプレゼントを購入する消費者も多くなっています。そのため、ギフトラッピングサービスをオプションでつけられる場合があります。
BtoBの物流と比べると、EC物流は注文ごとにギフトラッピングやメッセージカードの対応が求められるなど、個別対応が多いという特徴があります。
迅速な発送が求められる
大手ECサービスが提供する当日・翌日配送のサービス提供が消費者に定着したことで、EC物流には共通して迅速な発送が求められるようになっています。
ミスなく効率的に対応するためにも、在庫管理や配送ルートの最適化などの対応が求められます。
顧客とのコミュニケーションや返品対応がある
注文や配送状況の確認、返品・交換対応などの消費者とのこまめなコミュニケーションが顧客満足度向上のためにも重要になります。
どれだけ配送ミスや商品の間違いが発生しないよう業務を改善していても、ミスが起こらないとは限りません。対応に不備があった場合には、顧客とのコミュニケーションを迅速に行い、適切に対応することで顧客満足度が高まる可能性があります。
EC物流の課題
EC物流が抱える課題として以下の３つを紹介します。
- 人手不足
- 作業ミスの発生
- コストがかかる
人手不足
EC物流に限った課題ではありませんが、物流業界全体の課題として深刻な人材不足が挙げられます。
人手不足により作業の遅延やサービス品質の低下が懸念され、その影響で顧客満足度の低下につながる可能性があります。
物流システムの導入などにより、作業を単純化・標準化し、人手か介入する業務を減らしていくことで人為的ミスの軽減、業務の効率化を図ることが重要です。
作業ミスの発生
個別宅への配送が多くなるEC物流では、店舗や企業へのBtoBの大口注文とは異なり、注文商品のピッキングや出荷先の振り分けなどでよりきめ細やかな対応が求められます。
作業ミスが発生すると返品・交換対応が増えたり、発送に遅れが生じ、さらに業務負荷が増えるだけでなく顧客満足度の低下につながります。
ヒューマンエラーを防ぐためにも、情報をシステムで管理し作業を機械的に行うなどの対応が求められます。
コストがかかる
ECの物流コストには運送費用や人件費、倉庫の賃料・管理費、システム運用費など多くのコストがかかります。
また人手不足による人件費の増加や再配達増加による運送費の増加などにより、利益が相殺されてしまう場合も多くあります。物流業界全体が直面している2024年問題により、さらにコスト面での問題は大きくなると懸念されています。
人件費を抑えるためにも、派遣やアルバイトで体制を整えたり、誰でも作業できるようなマニュアル整備、システム導入が求められます。
EC物流の改善方法
EC物流が抱える課題の改善方法として以下の3つを紹介します。
- 物流アウトソーシングを利用する
- 物流システムを導入する
- 人材派遣を活用する
物流アウトソーシングを利用する
ECにおける物流業務をアウトソースする方法です。アウトソーシングを活用することで商品の保管、注文の受付、商品のピッキング・パッキング、配送、返品管理など、ECビジネスにおける物流全般の業務を請け負ってもらうことが可能になります。
また、物流業務を専門とした代行業者に業務を依頼できるため、これまでの業務経験や知識を活かした仕事により、物流の品質を担保することができるというメリットがあります。
アウトソーシングを活用することで、自社でシステムを導入したり人材を雇ったりする必要がないため、コスト削減にも繋がります。
物流システムを導入する
自社で物流業務を行う場合には、物流システムを導入することにより作業の効率化を図ることができます。
倉庫の在庫管理や商品の情報管理、ピッキング、配送先の最適化などの物流業務全般を自動化することができるため、作業の属人化を防ぎ、ヒューマンエラーの減少につながります。
物流システムには、入荷管理・在庫管理・棚卸・出荷管理などの倉庫内で発生する業務の情報を一元管理する「倉庫管理システム」や、配車管理・進捗管理・実績管理など、商品を発送してからの輸送段階の情報を一元管理できる「輸配送管理システム」倉庫内のピッキング作業を効率化するための「ピッキングシステム」、インターネット上で契約書や発注書・納品書・請求書などのさまざまなデータをやりとりするためのシステムなどがあります。
人材派遣を活用する
人手不足を解消する方法の一つとしては、人材派遣の活用が挙げられます。
物流業界に特化した派遣サービスもあるため、派遣を活用することで経験者を即戦力として確保することが可能です。自社で人材採用や給与・勤怠管理をする手間を省くこともできます。
派遣採用の場合は、繁忙期に合わせて人材を柔軟に調整することもできるため、人件費を変動費化することができ、コスト削減につながります。
まとめ：EC物流について相談するならレスターマッチングサービスがおすすめ
EC物流はインターネットの発達と利用者の増加から需要が高まり続けています。
物流業界は多くの課題を抱えていますが、EC物流はそのサービスの特徴から、小ロット多品種の商品の取り扱いが多いことや、個別配送の量が多いこと、個別対応が多いことなどが特徴として挙げられます。
その分、ヒューマンエラーも発生しやすくなるため、顧客満足度を下げずに作業を効率化するためにも、システムの導入や人材派遣の活用、アウトソーシングの活用が解決策として考えられます。
EC物流について課題感があるものの、「どのような解決方法が最適なのかわからない」「EC物流について相談したい」という方には、レスターマッチングサービスがおすすめです。
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