人材紹介会社は、企業が自社に必要な人材を採用する際に利用することで効率的に採用活動を進めることができます。
自社のみで形成される求職者の母集団よりも多くの層にアプローチできるため、幅広い人材から自社にマッチする人を採用でき、成功報酬型のため採用が決まるまでは料金も発生しないものが多いです。
しかし、採用に成功した場合には成功報酬として手数料を支払う必要があります。
この記事では、人材紹介会社の手数料の仕組みや相場、返還金、選ぶ際の確認ポイントについて紹介します。
人材紹介にかかる手数料とは
人材紹介サービスでは、サービスを利用しての採用が決定した場合、人材紹介会社へ成功報酬として紹介手数料を支払います。紹介手数料は、一人当たりの金額が一律で決まっている場合や、採用が決まった人材の年収の割合で換算する場合もあります。
成功報酬の支払いとは別途着手金の支払いが求められるケースもありますが、人材紹介会社の多くは成功報酬型を採用している場合が多く、採用が決定するまでは費用は発生しません。
着手金が必要なケース
一部の人材紹介サービスでは着手金が必要なケースがあると記載しましたが、ヘッドハンティングがその一例です。ヘッドハンティングといわれる、条件に合う人材を紹介会社が探して提案するサーチ型の場合は、着手金が発生するケースがあります。
経営層やエグゼクティブクラスなど貴重な経験を持つ人材を採用する場合などは、人材紹介会社に登録している求職者だけでなくその他からも人材をサーチし、要件にあった人材を探しだします。
紹介会社の方にかなりの時間とコストがかかるため、紹介手数料の一部を着手金として先に支払う必要があります。この場合、採用に至らなかった場合でも、着手金の返金はありません。
手数料の算出方法
人材紹介における成功報酬型の手数料算出方法は、「届出制手数料」「上限制手数料」の2種類があります。それぞれの計算方法について以下で紹介します。
届出制手数料
届出制手数料とは、人材紹介会社が事前に定めた料率で紹介手数料を算出する方法です。採用が決まった求職者の初年度の理論年収をもとに利率を掛け合わせて手数料を算出します。ほとんどの人材紹介会社がこの方式を採用しています。
上限制手数料
上限制手数料は、雇用された人材に支払われる6か月間の賃金の11% (免税事業者は10.3%)以下に相当する額の手数料がかかる制度です。
人材紹介会社の視点から考えると、同じ理論年収の人材の採用が決まった場合、届出制手数料の方が高い手数料をもらえるため、あまりメリットがある計算方法とは言えません。そのため一部の職種に適用されている以外はあまり採用されていない方式となります。
手数料発生のタイミング
手数料が発生するタイミングは採用している手数料の算出方式によって異なります。届出制手数料は、入社のタイミングで手数料が請求され、上限制手数料の場合は、賃金の支払いがあってから請求が発生します。
人材紹介会社へ支払う手数料の相場
多くの人材紹介会社は届出制手数料を採用しており、理論年収の30~35%程度の金額を報酬として設定しているのが相場と言えます。設定の上限は理論年収の50%です。
理論年収とは1年間に支給される給与の総額のことで、賞与なども含みます。交通費は含みません。
▼算出方法
理論年収(月収+手当+賞与など)×料率=手数料
理論年収と、人材紹介会社の手数料相場である30%・35%の利率を掛け合わせた場合の手数料金額は以下の通りです。
理論年収 | 利率30% | 利率35% |
400万円 | 120万円 | 140万円 |
500万円 | 150万円 | 175万円 |
600万円 | 180万円 | 210万円 |
700万円 | 210万円 | 245万円 |
800万円 | 240万円 | 280万円 |
900万円 | 270万円 | 315万円 |
1,000万円 | 300万円 | 350万円 |
早期退職の返還金
人材紹介会社では、雇用が決まり仕事を開始した人が早期退職してしまうケースに備え、早期退職に対する返還金を設定しています。
保証期間の多くは就業から3か月までが多いですが、場合によっては6か月ほど設定しているケースもあります。
返還金の金額については離職までの期間によって変わる場合がほとんどです。1ヶ月以内に離職する場合には紹介手数料の80%、3ヶ月以内に離職する場合には紹介手数料の50%が相場の設定金額となっています。具体的な金額については人材紹介会社ごとに異なります。
また、返金での対応ではなく、離職した人材の代わりに新たな人材を紹介するフリーリプレイスメントを保証としている場合もあります。
手数料観点での人材紹介会社への確認ポイント
手数料観点から人材紹介会社を選ぶ際のポイントとして、以下の点を確認しておくことが重要です。
- 手数料がいくらか
- 理論年収を決める
- 手数料請求のタイミング
- 返金規定の有無
手数料がいくらか
手数料がいくらかかるのか確認するためにまずは、人材紹介会社が採用している手数料の算出方式を確認しましょう。手数料の算出数式をもとに、仮の理想年収を想定し、どれくらいの手数料がかかるのか計算してみると相場金額が把握できます。
人材紹介会社別の手数料の利率は以下の通りです。
利率 | 人材紹介会社 |
〜30% | マイナビ新卒紹介アスリートプランニング就職エージェントneo美大芸大就活ナビ |
30〜35% | リクルートエージェントdodaマイナビエージェントパソナキャリア |
36%〜 | JACリクルートメントiX転職 |
一般的な相場が理想年収の30〜35%のため、大手人材紹介会社は相場と同じような利率に設定しています。
新卒や若手向けの人材紹介会社の場合は、30%以下の利率に定められている場合もあり、反対に経営層やミドルクラス向けの人材紹介会社は36%以上と高い利率に設定されています。
これはサーチ型と人材紹介会社が求人にマッチする人材を自社媒体以外からも探して提案するヘッドハンティングを行うにあたってコストがかかるためです。
理論年収を決める
理論年収は1年間に支払われる採用者への年収金額のことで、こちらに手数料の利率を掛け合わせた金額が人材紹介会社への手数料の金額になるため、事前のすり合わせが重要です。
また、手数料の他にも、理想年収は求職者へ通知として求人サイトに掲載されたりメールで連絡が入ったりします。年収は就職先を決める上でも重要な要素となりますので、採用にミスマッチを防ぐためにも提示金額のすり合わせが必要です。
手数料請求のタイミング
採用が成功した場合、いつ頃手数料が発生するのかのタイミングを確認しておきましょう。手数料発生のタイミングは人材紹介会社が採用している算出方式によって異なります。
返金規定の有無
採用者が早期退職になった場合の返金規定があるか確認しておきましょう。高い手数料を支払って求職者を採用したけれど人材のミスマッチが起こり数ヶ月で辞めてしまったとなった場合、高い手数料だけを支払って終わりということにもなりかねません。そもそも返金規定があるのか、ある場合にはどんな規定内容なのかを確認しておくことで後々のトラブルを避けることができます。
手数料別おすすめの人材紹介会社5選
手数料の利率別に、おすすめの人材紹介会社を5つ紹介します。
- 【〜30%】就活エージェントneo
- 【30〜35%】マイナビエージェント
- 【30〜35%】リクルートエージェント
- 【30〜35%】doda
- 【〜36%】JACリクルートメント
【〜30%】就活エージェントneo
公式サイト:https://www.s-agent.jp/
就活エージェントneoは、株式会社ネオキャリアが運営する新卒専門型エージェントです。
文系学生の採用に強みを持ち、業界内でも古くから新卒領域の採用を行ってきたため、豊富な経験を活かした学生へのサポートなどが魅力です。
理系人材向けや高学歴向けの新卒採用サービスもあります。
運営会社 | 株式会社ネオキャリア |
対応職種 | IT・通信/機械・電気・電子・素材/経営企画/営業職/クリエイティブ/その他 |
利用者数 | 年間約21万人 |
取引社数 | 1万社以上 |
対応エリア | 全国 |
【30〜35%】マイナビエージェント
公式サイト:https://mynavi-agent.jp/
マイナビエージェントは新卒領域での実績が豊富で、20〜30代向けの求人に強みがあります。サポートが手厚く、徹底した面接対策が好評やコミュニケーションのスピードなどの評判が高いです。
運営会社 | 株式会社マイナビ |
対応職種 | IT・通信/機械・電気・電子・素材/経営企画/営業職/クリエイティブ/その他 |
利用者数 | 非公開 |
支援実績 | 非公開 |
取引社数 | 非公開 |
対応エリア | 全国・海外 |
【30〜35%】リクルートエージェント
公式サイト:https://www.r-agent.com/
リクルートエージェントは国内最大手の人材紹介会社で保有求人が最多です。幅広い年代の支援実績があり、全職種の求人を保有しているため、定番のサイトといえます。
運営会社 | 株式会社リクルート |
対応職種 | IT・通信・エンジニア/経理・総務・人事/営業職/経営企画・マーケティング・クリエイティブ/その他 |
利用者数 | 約125万2,000人(2019年度実績) |
支援実績 | 約5万2,000人(2019年度実績) |
取引社数 | 約2万8,000社(2019年度実績) |
対応エリア | 全国・海外 |
【30〜35%】doda
公式サイト: https://doda.jp/
dodaはリクルートエージェントに次ぐ業界2位の求人数を保有している人材紹介会社です。
転職エージェントと転職サイトが一体化したサービスとなっているため、求人を検索し、気になる求人に申し込みを考えている場合に再度登録することなくアドバイザーに相談することが可能です。
求人の特徴としては、首都圏や若手向けのものに強みがあります。
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
対応職種 | IT・通信・エンジニア/機械・電機/建築・不動産/経営企画・管理/その他 |
利用者数 | 累計約629万人(2021年6月時点) |
支援実績 | 非公開 |
取引社数 | 非公開 |
対応エリア | 全国・海外 |
【〜36%】JACリクルートメント
公式サイト:https://www.jac-recruitment.jp/
JACリクルートメントは、高年収領域では日本1位を誇る人材紹介会社です。600万から1,500万円程度の高年収求人が豊富で、外資系企業やコンサル業界への転職に強みを持ちます。転職者と企業の担当者が同じなため、質の高い情報を得ることができます。
運営会社 | 株式会社ジェイエイシーリクルートメント |
対応職種 | 営業/企画/コンサルティング/管理/その他 |
利用者数 | 年間約67,000人 |
支援実績 | 43万人(1988年からの累計実績) |
取引社数 | 非公開 |
対応エリア | 全国・海外 |
まとめ:人材紹介会社を選ぶならレスターマッチングサービスがおすすめ
人材紹介会社を利用して採用することで、自社のみで採用を行う場合にはアプローチできない幅広い人材にアプローチできます。また、求める人材を提示することで、人材紹介会社がおすすめの人材を紹介してくれたり、採用までのフローを一部を担ってくれたりするため、採用工数の削減にもつながります。
人材紹介会社の多くは、成功報酬型の料金形態を採用しており、採用が決定するまで企業側にコストは発生しません。採用が決定した場合の成功報酬として紹介手数料を支払う形となっています。紹介手数料の金額や返金の有無に関しては会社ごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。
人材紹介会社を探しているけれども自社に合う会社がわからない、紹介手数料の金額なども含めて予算感からおすすめの紹介会社を知りたい、という場合にはレスターマッチングサービスがおすすめです。
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