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スタートアップとは、新たなビジネスモデルを用いて短期間でイノベーションを起こすことを目的とする企業のことを指します。

近年、日本でも国をあげてスタートアップの育成に取り組んでいます。この背景としては、日本が欧米諸国に比べてスタートアップの数が少ないことや、スタートアップは大企業や中小企業と比較して、事業を行なうための資金や人材が不足しているという問題があるためです。

スタートアップの立ち上げや継続に際して資金や人材が必要な場合には、国や自治体、民間企業が提供している支援を受けることで解決できる場合もあるでしょう。

本記事では、数ある支援策の中でも経済産業省が提供しているスタートアップ支援策について紹介します。

経済産業省によるスタートアップ支援の種類

経済産業省が提供しているスタートアップの支援の種類には資金面の支援やノウハウの提供など様々あります。ここでは、スタートアップ支援の種類として以下の4つを紹介します。

  • 融資
  • 税制措置
  • 補助金・懸賞金
  • アクセラレーション インキュベーションプログラム

融資

融資は、スタートアップや起業家への貸付けや、民間金融機関によるスタート アップ・起業家への貸付けを後押しする支援策です。返済義務はあるものの比較的大きな金額を調達することができます。

税制措置

税制措置は、減税や課税の繰り延べなど税制上の特例制度などで、スタートアップ支援を行う支援策です。エンジェル税制やオープンイノベーション促進税制などがあります。

補助金・懸賞金

補助金や委託費、懸賞金などを提供し、原則返済不要とすることで資金面での支援を行う支援策です。原則返済不要なため、申請しやすいですが調達できる金額としては少なめになります。また、補助金を受け取るためには、書類審査などに通過する必要があります。

アクセラレーション・インキュベーションプログラム

アクセラレーション・インキュベーションプログラムは起業を目指す方による、起業を支援することを目的としたプログラムや、スタートアップの事業の成長加速を目的としたプログラムを提供する支援策です。

金銭的な支援のみではなく、セミナーやプログラムの実施による支援も提供しています。

経済産業省によるスタートアップ支援1.融資

経済産業省が提供している支援策の一つである融資の支援策として以下の3つを紹介します。

  • 新規開業支援資金
  • 新規創業融資制度
  • 創業支援貸付利率特例制度

新規開業支援資金

新規開業支援資金は、新たに事業を始める人、あるいは事業開始から7年以内の人が必要な設備資金・運転資金を確保するために利用できる融資です。新規開業等の際に必要な資金の貸付けに関し、貸付限度等に特例を設けることで、新規開業等を支援します。

対象者新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方
資金使途新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金及び運転資金
融資限度額7,200万円(うち運転資金4,800万円)
返済期間設備資金:20年以内運転資金:7年以内

参考:日本政策金融公庫「新規開業資金」

新規創業融資制度

新規創業融資制度は、新たに新規事業を始める方や事業開始後税務申告を2期終えていない方向けの制度です。無担保・無保証人で融資を受ける事ができます

対象者・新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方・新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方
資金使途新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金及び運転資金
融資限度額3,000万円(うち運転資金1,500万円)
返済期間各融資制度に定める返済期間以内

参考:日本政策金融公庫「新創業融資制度」

創業支援貸付利率特例制度

新たに事業を始める方または新たに事業開始後税務申告を2期終えていない方へ、利率の引き下げを通じて創業を支援する制度です。

創業の促進を図るため、創業融資の利率を低減することで、円滑な資金調達を支援することを目的としています。

対象者新たに事業を始める方または新たに事業開始後税務申告を2期終えていない方
資金使途各貸付制度に規定する資金使途各貸付制度に規定する資金使途
融資限度額各貸付制度に規定する貸付限度額
利率各貸付制度に規定する貸付利率から0.65%を控除した利率。ただし、雇用の拡大が見込まれる場合は0.9%を控除。
返済期間各貸付制度に定める返済期間以内

参考:日本政策金融公庫「創業支援貸付利率特例制度」

経済産業省によるスタートアップ支援2.税制措置

経済産業省が提供する支援策の2つ目として、税制措置の支援策の以下3つを紹介します。

  • 特別試験研究費税額控除制度
  • ストックオプション税制
  • オープンイノベーション促進税制

特別試験研究費税額控除制度

企業とスタートアップが共同研究を行う場合に、その共同研究費用を税で促進する制度です。

企業がスタートアップ等と共同研究や委託研究を行う場合に支出する試験研究費などを法人税額から一定の割合控除できる仕組みです。

対象企業が、スタートアップ、大学等と行った共同研究や委託研究
措置内容研究開発型スタートアップ企業、特別研究機関等、大学、その他 民間企業等(スタートアップ企業を含む)と共同で行う試験研究や、これらの者へ委託して行う試験研究に要する費用がある場合、 当該企業が負担した試験研究費用の20%、25%又は30%相当額を法人税から控除できる(恒久措置) ※税額控除限度額は、法人税額の10%

参考:特別試験研究費税額控除制度 ガイドライン 〔平成 31 年度版〕

ストックオプション税制

ストックオプション税制とは、課税の繰り延べによりストックオプション制度の利用を促進する制度のことです。

ストックオプション制度を利用する際に、本来権利行使時に給与所得として課税等されるところ、その課税を株式売却時に繰り延べるとともに譲渡所得として課税されるようにすることで、ス トックオプション制度を活用しやすくするものです。

対象者次のいずれかの者に対するストックオプションの発行であること等  自社の取締役、執行役又は使用人  発行株式総数の50%超を直接又は間接に保有する法人の取締役、執行役または使用人  一定の要件を満たす外部協力者 ※ 社外高度人材活用新事業分野開拓計画の認定を受ける必要あり
措置内容課税が株式売却時に繰り延べられ、譲渡所得として課税される ※ 税制対象となる権利行使価格上限(年間1,200万円)ほか、租税特別措置法上の要件を満たす必要あり

参考:社外高度人材に対するストックオプション税制の適用拡大

オープンイノベーション促進税制

オープンイノベーション促進税制は、事業会社・CVCによるスタートアップ投資を税で促進する制度のことです。

事業会社・CVCからスタートアップへ、オープンイノベーションに向けて出資を行う場合に出資額の最大25%が所得控除されます。

対象・要件オープンイノベーションを目的にスタートアップに1億円以上(出資者が中小企業の場合1000万円以上、出資先企業が海外法人の場合5億円以上)出資する事業会社・CVC
措置内容出資金額の最大25%を所得控除
制度期間令和2年4月1日~令和6年3月31日まで

参考:オープンイノベーション促進税制

経済産業省によるスタートアップ支援3.補助金・懸賞金

経済産業省が提供するスタートアップ支援策の3つ目として、補助金・懸賞金の支援策の以下3つを紹介します。

  • 研究開発型スタートアップ支援事業 SBIR推進プログラム
  • 衛星データ利活用促進事業
  • NEDO Supply Chain Data Challenge

研究開発型スタートアップ支援事業 SBIR推進プログラム

研究開発型スタートアップ支援事業にはいくつか種類がありますが、SBIR推進プログラムは、政府のニーズに取り組むスタートアップ・中小企業を支援するプログラムです。

政府が設定する課題に取り組むスタートアップ・中小企業の実現可能性調査、研究開発を支援します。

対象・要件経済産業省所管の鉱工業技術分野において、政府が設定する課題に対する技術シーズをもつスタートアップ・中小企業
支援内容フェーズ1(FS・POC※1) 1テーマあたり2千万円以内 委託  フェーズ2(研究開発) 原則として、1テーマあたり1.5億円以内 助成
公募期間2023年3月31日から2023年5月10日正午までの予定

参考:2023年度「SBIR推進プログラム」(一気通貫型)に係る公募について

衛星データ利活用促進事業

衛星データ利活用促進事業は衛星データを利用した地域の課題解決に貢献するアプリケーション開発を支援する制度です。

対象・要件10道県(※)の実証地域における衛星データを用いた行政・産業の課題解決に資するアプリケーションを衛星データプラッ トフォーム「Tellus」上で開発すること※10道県:北海道、富山県、福井県、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、鹿児島県
支援内容① 10道県の実証地域の衛星データ等の提供 ② Tellus上のアプリケーションの開発環境の提供 ③ アプリケーションの開発費の1/3補助(上限500万円)

NEDO Supply Chain Data Challenge

NEDO Supply Chain Data Challengeは、衛星データを用いた解析サービスのアイデア&システム開発に懸賞金を交付する制度です。

衛星画像データと多様な情報を組み合わせてサプライチェーンマネジメントを高度化し、事業化を目指すアイデア及びシステムを広く募ることで、優れた法人・個人・グループに対して懸賞金(総額 3,780万円)を交付します。

対象・要件・国内外の企業(団体等を含む)、大学等、研究者・研究チーム、 個人等  ・既に事業化されているアイデア、システムは応募不可  ・既に機関投資家から資金調達を受けていても応募可能
支援内容解析サービスのアイデア及びシステムを募り、優れた提案者に対 し、懸賞金を交付。 アイデア部門:1位 100万円、2位 50万円、3位 30万円 システム部門:1位 1000万円、2位 500万円、3位 300万円
公募期間​​2022年3月18日~5月17日 正午まで ※来年度の公募は未定

参考:NEDO初の懸賞金事業「NEDO Supply Chain Data Challenge」最終選考会を開催

経済産業省によるスタートアップ支援4.アクセラレーション インキュベーションプログラム

経済産業省が提供するスタートアップ支援策の4つ目として、アクセラレーション・インキュベーションプログラムの支援策の以下3つを紹介します。

  • 始動 Next innovator
  • アクセラレーション事業 FASTA
  • 知財アクセラレーションプログラム「IPAS」

始動 Next innovator

「始動 Next innovator」は自ら挑戦・行動し続けられるイノベーターを育成するプログラムです。

国内プログラム、選抜者を対象としたシリコンバレープログラム、 Demo Dayなどを通して、国内外の第一線で活躍する講師及びメンターとともに、イノベーターとして必要な知識・スキルを経験的に身につけるプログラムとなっています。

対象・要件成し遂げたい事業アイディア・プランを持っていること  満20歳以上で、プログラムの全日程に参加できること等
参加定員約100名
応募方法公募期間中(約1ヶ月:未定)に、応募申請フォームから応募

参考:始動 Next innovator

アクセラレーション事業 FASTAR

「アクセラレーション事業 FASTAR」は、事業計画の策定に対して専任パートナーをつけることにより、伴走支援するプログラムです。

IPOやM&A等を目指すスタートアップ企業及び個人を対象に、 資金調達や事業提携に向けて、担当の専門家が伴走型支援による事業計画のブラッシュアップを行い、成長加速化を支援します。

対象・要件・グローバル規模での社会課題解決や、成長産業の変革を目指しており、事業課題を抱えているスタートアップ等  ・創業から5年以内の事業ステージがシードからアーリーまでのスタートアップ、または起業予定の個人

参考:FASTAR

知財アクセラレーションプログラム「IPAS」

「IPAS」はビジネス専門家と知財専門家による、スタートアップの知財戦略構築支援プログラムです。

参加しているスタートアップの課題・支援ニーズに対応した知識、スキル を持つビジネス専門家と知財専門家からなる「知財メンタリング チーム」を組織し、知財メンタリングチームは、参加スタートアップとのおよそ10回のメンタリングを通じて、事業戦略の診断・ブラッシュアップを行います。これにより、事業戦略に連動した知財戦略の構築を支援します。

対象・要件外部有識者による審査を経て、選定されたスタートアップ
支援例(ビジネス面)シーズの診断 ・出口戦略の構築  (知財面)知財調査を含む知財戦略構築サポート  (知財面)即時に権利化すべきシーズの出願戦略の立案

参考:知財アクセラレーションプログラム「IPAS」

まとめ:スタートアップ支援ならレスターマッチングサービスがおすすめ

スタートアップの支援には、国や自治体からの資金面・ノウハウ面での支援や民間企業からの支援など利用できるものが多くあります。

経済産業省は、国からの支援の中心となる省庁のため、支援内容の種類を把握し、定期的に最新情報を確認しておくと良いでしょう。

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