スタートアップは近年注目されており、国としてもスタートアップを支援する政策を打ち出しています。
これまでにない革新的なビジネスモデルを展開することで急成長を目指すスタートアップは、イノベーションや社会貢献などの効果も期待されています。
スタートアップを起業するためには具体的にどんな準備やものが必要になるのでしょうか。
この記事では、スタートアップの起業方法を知りたい方に向けて、起業の大まかな流れと、資金調達の方法について紹介します。
スタートアップとは
スタートアップとは、これまでにない革新的なビジネスモデルで急成長を目指す企業のことを指します。創業から10年以内の企業を指すことが多いです。
経済産業省はスタートアップの特徴を以下のように定義しています。
- 成長スピードが早い
- ビジネスに斬新性があり、イノベーション、社会貢献を意識している
- 出口戦略(イグジット)を検討している
参考:経済産業省中国経済産業局『平成30年度 地方創生に向けたスタートアップエコシステム 整備促進に関する調査事業 報告書』
このように、スタートアップは革新的な技術やアイディアから成長や市場創造を目指すことが期待されている企業となります。
スタートアップ起業の流れ
スタートアップを起業する際の大まかな流れについて紹介します。
- ビジネスモデルを考える
- 事業計画を考える
- ビジネスモデル、プロトタイプの壁打ち
- 資金調達
- 会社設立
1. ビジネスモデルを考える
まずはどんなビジネスを展開したいのかアイディアを出し、ビジネスモデルに落とし込みます。
消費者に対してどのような価値を提供するのか、どのような顧客ニーズに応えるのか、収益源は何かなどを明確にする必要があります。
2. 事業計画を考える
作成したビジネスモデルをもとに、具体的な事業計画を立てます。
開発費、マーケティング費、人件費など、黒字化までにどれぐらいの費用と時間が必要になりそうかを計算します。黒字化するまでのロードマップとして10年先までの事業計画を策定するのが望ましいでしょう。
併せて、作成したビジネスモデルを市場に出すにあたっての市場分析や競合分析、販売戦略や財務計画なども含め事業の実現可能性を検討する必要があります。
3. ビジネスモデル、プロトタイプの壁打ち
事業計画の作成が終わったら、ビジネスモデルや商品・サービスのプロトタイプについてできるだけ多くの顧客や関係者からフィードバックを収集します。
実際にサービスを作っても市場には受け入れられずに終わってしまうことが多いため、多くの人にプレゼンし壁打ちすることでブラッシュアップしていく必要があります。
この段階では、アイディアやプロトタイプを改善し、マーケットフィットを向上させることが目的となります。
4. 資金調達
ビジネスモデルやプロトタイプの検証が終わり、実現可能性が高そうな場合には資金調達のフェーズに入ります。
多くのスタートアップはこの資金調達の段階で頓挫してしまうことが多いため、資金調達をうまく進めることは非常に重要です。資金調達の方法については以下で詳しく解説します。
一般的には、投資家やベンチャーキャピタルからの出資、クラウドファンディング、助成金や補助金の申請などの調達方法があります。
5. 会社設立
資金調達の目処が立ったら会社を設立します。
会社設立の段階では、会社形態の選択、役員の任命、書類の作成、登記手続きなどの作業が必要になります。
資金調達の方法
資金調達の方法には、代表的なものとして以下の6つがあります。
それぞれの方法について紹介します。
- 出資
- 融資
- 社債
- 補助金・助成金
- アセットファイナンス
- クラウドファンディング
①出資
出資とは、株式を交換して資金調達する方法です。エクイティファイナンスとも呼ばれ、原則として返済義務は生じません。調達した資金は自己資本に充てられるため、安定した経営基盤を作ることができます。
出資での資金調達方法には、ベンチャーキャピタルからの出資とエンジェル投資家からの出資の2つがあります。
ベンチャーキャピタルからの出資
ベンチャーキャピタルとは、スタートアップ企業やベンチャー企業などに投資し、将来投資先企業が上場した際に保有株式を売却することで利益を得ることを目的とする投資ファンドのことです。
ベンチャーキャピタルからの出資では、資金面の調達のほかにも、これまでの投資実績や経験に基づくアドバイスやサポートを受けられることも多く、経営の一助としても活用できる可能性があります。
エンジェル投資家からの出資
エンジェル投資家とは、創業間もない企業に対し資金を個人として供給する人のことです。
投資した企業の成長に伴い利益を得ることを目的としています。経営経験者であることが多いため、投資先の経営に関わってくる場合もあります。
②融資
融資とは、金融機関からの借入によって資金調達する方法です。企業は借入することを通じて負債を持つことになるため、デッドファイナンスとも呼ばれます。
金融機関からお金を借りて資金調達するため、元本の返済と金利の支払い義務が発生します。金融機関が代表的な借入先ですが、国や自治体が運営している融資など借入先は様々あります。
③社債
社債とは、企業が資金調達するために発行する債券のことを指します。主に上場企業で行われる資金調達方法の1種で、こちらも資金を借入する形のためデットファイナンスの1つに分類されます。
社債・融資などのデットファイナンスは金融機関などが経営に直接関与しないため、経営の自由度は高いです。
④補助金・助成金
補助金・助成金は、国や地方公共団体が企業や個人事業主といった事業者に対して、原則返済不要で資金を支給する制度です。
それぞれ審査を通過することで支給を受けることができます。
補助金は主に事業資金として、助成金は雇用促進や人材育成の資金として使用されることを想定としたものになるため、それぞれの用途の違いを把握しておきましょう。
スタートアップが国から受けられる支援については以下で詳しく紹介します。
⑤アセットファイナンス
アセットファイナンスとは、会社(あるいは経営者)が所持している資産を資金化する方法です。
不動産を担保とした銀行融資や、ファクタリングなどの売掛債権、保険や株式などの金融資産、知的財産権など将来的にキャッシュになる権利を持つ資産は基本的に全てアセットファイナンスの対象になります。
創業したての企業ではこのような資産を持つことが少ないかもしれませんが、資金調達の方法の一つとして抑えておきましょう。
⑥クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、クラウド(群衆)とファンディング(資金調達)を組み合わせた言葉で、オンライン上で募集をかけ様々な人から少額ずつ資金調達する方法です。
新規事業を行いたい場合などに事業概要を記載し資金を募ることで、共感したユーザーから資金を調達し、目標金額を集めます。
スタートアップの詳しい資金調達方法についてはこちらの記事をご覧ください。
スタートアップの資金調達方法は?種類とラウンド別の調達方法を紹介
スタートアップが国から受けられる支援
スタートアップは資金調達に苦労することが多いと考えられます。そこで、スタートアップが国から受けられる資金面での支援として、以下の2つを紹介します。
- 挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)
- 新規開業支援資金
挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)
挑戦支援資本強化特別貸付とは、資金供給を通じてスタートアップや新規事業の展開、事業の再生などに取り組む方を支援する制度です。
資本性ローンでの借入は自己資本とみなすことができるため、この制度を利用することによって企業の財務体質を強化することができます。また、自己資本の割合が増えることで金融機関からの資金調達が円滑になるという効果もあります。
融資期間中は元金の返済負担がないため、毎月の資金繰り負担を軽減することができ、業績が低調なときは金利負担が小さい設定となるため、資金繰りに苦労している立ち上げすぐの企業でも利用しやすい設定になっています。
対象者 | 次のいずれかの融資制度の対象となる方新規開業資金新事業活動促進資金海外展開・事業再編資金事業承継・集約・活性化支援資金企業再建資金次のすべての要件も満たす方地域経済活性化にかかる事業を行うこと。税務申告を1期以上行っている場合、原則として所得税等を完納していること。 |
資金使途 | 該当する融資制度に定める設備資金および運転資金 |
融資限度額 | 7,200万円(別枠) |
返済期間 | 5年1ヵ月以上20年以内 |
参考:日本政策金融公庫「挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)」
新規開業支援資金
新規開業支援資金は、新たに事業を始める人、あるいは事業開始から7年以内の人が必要な設備資金・運転資金を確保するために利用できる融資です。
対象者は幅広いですが、「女性、若手、シニアで創業する方」、「廃業履歴等があり、創業に再チャレンジする方」、「中小会計を適用して創業する方」など、対象者の属性によって詳細の条件などは変わるため、詳しくは公式サイトを確認してみてください。
対象者 | 新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方 |
資金使途 | 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金及び運転資金 |
融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
返済期間 | 設備資金:20年以内運転資金:7年以内 |
まとめ:スタートアップの起業の支援先を探すなら『レスターマッチングサービス』がおすすめ
スタートアップを起業するためには事業アイディアを考え、ビジネスモデルに落とし込み、それらをどれだけ市場に受け入れられる形までブラッシュアップするかと、どのように資金を調達するかが非常に重要になってきます。
スタートアップの起業はイノベーションのためにも非常に重要ですが、会社を立ち上げてすぐの場合は人材不足や資金不足など様々な問題を抱えています。
どのような事業を行い、どのような価値を顧客に提供するのかという観点も重要ですが、企業の成長段階に合わせてうまく資金を調達し、事業を継続させていくことが難しいため、資金調達は国などの支援もフルに活用しながら進めてく必要があります。
スタートアップの起業を考えているけれども、事業アイディアを壁打ちできるパートナーを探したい、資金調達先を探したい、共同起業者を探しているがどこで探せば良いかわからないという場合にはレスターマッチングサービスがおすすめです。
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独自のネットワークに加え、他のビジネスマッチングサービスのデータベースや金融機関との連携により幅広い企業を紹介することが可能です。
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