企業が成長していく上で人材育成は非常に重要です。
人材育成をすることによって社員のモチベーション管理や離職の防止につながるだけではなく、将来的な経営人材を育てることにもつながるため、その大切さを認識する企業も増加しています。
この記事では、自社で人材育成を行なう際にどのように取り組むべきなのか、人材育成の目的や課題、実施する上で大切なことを紹介します。
企業における人材育成の目的
人材育成はただ行うだけでは意味がありません。何のために行うのか、目的を意識することでより効果が高まるでしょう。
人材育成の大きな目的には、以下の3点が挙げられます。
- 生産性の向上
- 将来的なリーダーの育成
- 優秀な人材の確保
生産性の向上
人材育成の大きな目的として、自社に属する社員の成長を通して企業を発展させるということが大前提としてあります。企業がお金をかけて育成を行うのですから、結果として企業のためになるものでなければなりません。
少子高齢化により、日本の労働者人口が減少しているということをよく耳にすると思います。働き手の減少により、人材不足に悩まされる企業は少なくありません。
全国的に人材不足の課題がある中で、人材育成を通して社内人材の能力向上を図ることが生産性の向上にもつながります。少ない人数でも業務を回していくことができれば人材不足にも対応することができ、人件費を抑えることもできるでしょう。
将来的なリーダーの育成
企業経営を継続的に行なっていくためには、将来的にリーダーになる人材を育成していく必要があります。
若手のうちから経営に必要なスキルを人材育成を通して身に付けてもらうことで将来的に会社の経営を担ってもらう人材を育成することも目的の一つです。
優秀な人材の確保
転職が当たり前になってきている近年では、スキルアップを目的に転職する人も多いです。
終身雇用制度が崩壊しつつあり、企業側からの雇用が保証されていない不確実性の高い時代において、市場価値を高め社会から必要とされる人材になるためにスキルアップしたいと考える若手が多くなっています。
現在勤めている企業でこれ以上のスキルアップや成長が見込めないと感じたら転職してしまう可能性がありますが、このような意欲の高い人材ほど企業にとっては自社にいてほしい人材ですよね。
人材育成を通して社内でスキルアップを図れる機会を設けることで優秀な人材が離職することを防ぐことにもつながります。
企業における人材育成の課題
人材育成は企業経営にとって重要ではありますが、進めていく上での課題が多いことも事実です。人材育成の課題としては、次の点が挙げられます。
- 理念やビジョンの共有
- 適切な人材配置
- 人材育成担当者の負担が大きい
理念やビジョンの共有
人材育成を進めていくためには、どういう人材に育てたいのかという方向性を明確にする必要があります。人材を採用する時点で求める人物像を明確化しておかないと、入社後の育成段階でミスマッチが起こる可能性があります。
そのため、企業の理念やビジョンをまずはしっかりと定め、それに共感してくれている人材を採用することで育成しやすくなります。社員に対しても継続的に企業理念やビジョンを浸透させる努力を行なっていく必要があります。
しかし、自発的な共感を得ようとするのではなく、人材育成のために企業理念やビジョンを浸透させようとすると、企業のために使われていると感じられる可能性があるため、企業理念やビジョンを達成することがなぜ社員のためにもなるのかという部分を考え、社員のためになる育成計画を進めていく必要があります。
適切な人材配置
人材育成をスムーズに進めるためには、本人の適性や希望、目標を汲み取った上で適切な部署に配属することが重要になります。
本人がやりたくない分野の仕事が多い部署に配属してしまうとモチベーションが上がらず成長したいという自発的な意欲を失ってしまう可能性がありますし、適性に合わない部署への配属もうまく成果が出なかったり場合によっては離職の可能性も出てきてしまいます。
適性や目標を把握した上で、各個人が能力を最大限伸ばせる環境に配置することができれば育成しやすくなりますが、実際にはうまく把握できていなかったり、把握できていても人数や経営の関係で希望する部署に配置できていなかったりという課題があります。
人材育成担当者の負担が大きい
企業で人材育成を進めていく場合、人材育成を主な業務として担当する人がいることはほぼありません。配属先での主業務を担当しながら新人の育成を行なっていく必要があります。
多くの場合、育成を担当する人はある程度その部署や職種での経験を積んでいる人であるため、そもそもの業務量が多いことも考えられます。通常業務に加えて、人材育成業務を担うことになるため、担当者の負担が大きくなってしまうという課題があります。
人材育成で大切なこと
上記の人材育成における目的や課題を踏まえ、人材育成を進めていく上で押さえておくべき大切なポイントについて紹介します。
- 人材育成の目的を明確にする
- 本人の能力が最大限発揮できる機会を設ける
- 組織全体で人材育成に取り組む
人材育成の目的を明確にする
そもそも、何のために人材育成を行なっているのか目的を明確化する必要があります。細かな目的は様々考えられますが、ざっくりとした方向性・目的としては「企業の戦力になる人材を育てたい」という目的があるのではないでしょうか。
人材育成の課題部分で、企業理念やビジョンを明確にする必要があるということを説明しましたが、そこを明確にすることで育てるべき人材の素質が明確になってきます。また、キャリアプランも明確になってくるため、企業全体のキャリアプランの方針に合わせた各個人のプランも設定しやすくなります。
本人の能力が最大限発揮できる機会を設ける
人材育成では、企業側から一方的に教え込むだけではなく、本人の自発的な意欲も非常に重要です。そのため、本人の意向に合わせて会社側から機会を提供してあげることが大切です。
本人のキャリアプランや目標、適性を知る機会を定期的に設定し、まずは社員を理解することからはじめましょう。その結果を踏まえ、部署内で機会を提供できるのであれば提供し、部署移動や研修などが必要とわかったのであれば他部署と協力しつつ機会を提供してあげる必要があります。
組織全体で人材育成に取り組む
人材育成の課題として、育成担当者の負担が大きいことを挙げました。
この課題を解決し、一貫した人材育成を進めていくためにも組織全体で取り組んでいく必要があります。
担当者に任せきりにするのではなく企業全体で取り組むことで、育成者の負担軽減につながるだけではなく、適材適所な人材配置や部署間のスキル向上の機会を設けることができるようになります。
人材育成に成功した企業例5選
人材育成への取り組み事例として、各企業の取り組み内容とその成果を紹介します。
- スターバックスコーヒージャパン
- サントリーホールディングス
- ニトリホールディングス
- キャノン
- ヤフー
スターバックスコーヒージャパン
スターバックスジャパンの人材育成への取り組みとしては、大きく分けて2つ挙げられます。
一つ目はOJTに関する取り組みです。OJTを4段階に分け、社員個人に合わせて目標を設定しています。また、2つ目の価値観ワークという取り組みでは、社員同士が価値観を共有し、互いに尊重できる機会を設けています。
どちらの取り組みにも共通して言えることとして、個々の社員を尊重し、最大限能力や個性を活かせる育成方針をとっているということがわかります。
サントリーホールディングス
サントリーホールディングスには、若手社員を海外に派遣する「トレーニー制度」という制度があります。この制度を活用しグローバル人材の育成に取り組んでいます。
また、複数のグループ企業があるサントリーでは、グループ間の垣根を越えて次世代リーダーの発掘を行なう「次世代リーダー抜擢」を実施しています。
組織全体で人材育成に取り組んでいる事例と言えるでしょう。
ニトリホールディングス
ニトリホールディングスでは社内に大学を作り、社員が自主的に学べる環境を整えています。この他にも、様々な人材育成の取り組みを行なっており、これらは「社員に企業を旅してもらう」というイメージで作られているそうです。
社員の価値観が社会の課題解決に活かせる仕組み作りをすることで、モチベーションを保つ工夫がされています。
キャノン
キャノンでは、研修型キャリアマッチングや学び方改革を通して社員のキャリア形成をサポートしています。
社内の中で異なる職種に応募できるため社員がチャレンジするきっかけになりますし、自発的な学びを促進することで社員のリスキリングにも取り組んでいます。
ソフトバンクグループ
ソフトバンクグループでは、30代・40代向けのキャリア研修を実施しています。新卒や若手への研修や人材育成が中心となりがちですが、中堅社員に向けての研修を充実させることで意欲のある社員にチャンスを与えています。
社員の年代や経験年数に応じた研修を用意することで、それぞれの意欲を高め全社的なスキルアップの底上げを図ることができます。
まとめ：人材育成に取り組むならレスターマッチングサービスがおすすめ
人材育成は企業経営において非常に重要な取り組みです。
企業が成長し続けていくためには、そこに属する社員の成長が必要不可欠であるためです。
しかし、人材育成はビジョンの共有や社員の協力、社内制度の整備など、全社的に取り組んでいかなければならない課題を抱えています。実際に人材育成に力を入れたくても、社内の制度が整っていない、どういう制度が効果的なのかわからない、人材育成に関する専門的な知識を持った人材がいないなどの課題がある企業も多いのではないでしょうか。
その場合、レスターマッチングサービスがおすすめです。
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