近年のインターネットやデジタル化の加速により、エンジニアへの需要が高まっています。
しかし、エンジニアの求人数に比べてエンジニアの数が足りていないため、各業界がエンジニアの採用に苦戦しています。スタートアップ企業も例外ではありません。
スタートアップ企業がエンジニアを採用するための方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
この記事ではスタートアップ企業がエンジニアを採用するための方法と採用に向けて必要な手順について紹介します。
エンジニアの求人倍率
まず、エンジニアの求人倍率が各職種でどの程度なのか見ていきます。
dodaによると2024年1月の日本のエンジニアの求人倍率は12.06倍となっており、他の職種と比較しても圧倒的に求人倍率が高い状況となっています。
エンジニアの求人数に対してエンジニアが足りていないことがわかります。
順位 | 職種 | 求人倍率 |
1 | エンジニア(IT・通信) | 12.06倍 |
2 | 専門職(コンサル・金融) | 7.17倍 |
3 | 専門職(建設・不動産) | 6.19倍 |
4 | エンジニア(機械・電気) | 6.01倍 |
5 | 企画・管理 | 3.67倍 |
6 | 営業 | 3.20倍 |
7 | 専門職(化学・食品) | 1.63倍 |
8 | クリエイター | 1.46倍 |
9 | 専門職(メディカル) | 0.89倍 |
10 | 販売・サービス | 0.78倍 |
11 | 事務・アシスタント | 0.50倍 |
全体 | 2.80倍 |
出典:【転職求人倍率】求人倍率は‐0.42ptの2.80倍。求人数は微減し、転職希望者数が増加したため、求人倍率は下降。 |転職ならdoda(デューダ)
エンジニアの採用が難しい理由
エンジニアの採用が難しくなっている理由について、以下の5つを紹介します。
- エンジニアへの需要の高まり
- 働き方の多様化
- エンジニアのスキルの見極めの難しさ
- 企業と求職者の労働条件の不一致
- 市場への流出を防ぐ企業努力
エンジニアへの需要の高まり
dodaによると、エンジニアの求人倍率は2024年1月時点で12.06倍となっており、需要が高まり続けています。
エンジニアの数に比べて求人数が多く、必要な数のエンジニアを採用しにくくなっています。
働き方の多様化
副業やフリーランスなど働き方が多様化したことで、正社員という働き方を選択しないエンジニアが増えたことも採用が難しい理由の一つです。
特にフリーランス案件を希望する人材数が伸びており、レバテックエージェントサービスによると2023年6月は前年同月比で155%、2021年6月比では約3.3倍に成長しています。
エンジニアのスキルの見極めの難しさ
エンジニアのスキルの見極めが難しい点も採用の難しさの要因の一つとなっています。
エンジニアという職種の中でも、業務に使用する言語や領域が存在し、エンジニアによって得意とする領域も様々です。
IT領域に詳しくない採用担当者が自社に必要としているスキルを持つ人材なのかを判断するのは難しいため、現場社員の協力が必要になります。
企業と求職者の労働条件の不一致
エンジニアが求める労働条件に自社がオファーしている労働条件がマッチしないと採用が難しくなります。
エンジニアへの需要の高まりから、給与や福利厚生などの水準が高い求人が増えています。
採用市場にいるエンジニアは複数社の選考を受けている場合が多いため、給与や労働環境を比較して就職先を選ぶことも多く、自社の採用条件がネックとなってしまう場合もあります。
市場への流出を防ぐ企業努力
エンジニアが離職しないよう、すでにエンジニアを抱えている企業が離職防止に努めていることも採用が難しくなっている理由の一つです。
エンジニアへの需要が高まり採用が難しくなっていることから、すでにエンジニアを抱えている企業ではエンジニアの待遇を改善するなど離職防止に努めており、優秀な人材が転職市場に流出しにくくなっています。
スタートアップ企業のエンジニアの採用方法6選
需要の高まりから採用が難しくなっているエンジニアですが、スタートアップ企業がエンジニアを採用するための方法として以下の6つを紹介します。
- クラウドソーシングを使う
- SNSを利用する
- エージェントを使う
- ビジネスマッチングサービスを使う
- イベントや交流会に参加する
- 知り合いに紹介してもらう
クラウドソーシングを使う
クラウドソーシングサービスは、仕事を依頼する発注者と仕事を引き受ける受注者がつながることができるプラットフォームです。
企業や個人がインターネット上で不特定多数の人に業務を依頼するビジネス形態で、「crowd(群衆)」と「sourcing(調達)」を合わせた和製英語です。
働き方の多様化により、フリーランスや副業でエンジニアとして働きたいと希望するエンジニアが増えているため、クラウドソーシングには多くのフリーランスエンジニアや副業を行っているエンジニアが登録しています。
正社員での採用が難しくても案件にマッチする人材がいれば、リソース確保につながります。また、正社員として雇用する場合は福利厚生や社会保障など会社側が負担するコストがありますが、クラウドソーシングで採用する場合には成果報酬型となるため、人材を自社で管理する必要がありません。
SNSを利用する
SNSを利用して求職者にアプローチする方法もあります。SNSを持って自分について発信しているエンジニアや、SNSで転職に関する情報を収集しているエンジニアもいるため、SNSから人となりを判断しマッチしそうであればDMなどで直接コミュニケーションをとることも可能です。
エージェントを使う
転職エージェントを利用する方法です。登録者数が多い大手の転職エージェントや、エンジニア人材に特化したエージェントを利用することで、面談できる可能性があります。
エージェントに手数料を支払い採用要件を伝えることで、自社の工数をかけずに採用活動を進めることができます。
ただ、紹介手数料や成功報酬型の手数料がかかるため、資金が潤沢でないスタートアップの場合はコストが痛手となる可能性もあります。
ビジネスマッチングサービスを使う
正社員の採用ではなく、業務提携やアウトソーシングまで視野に入れている場合は、ビジネスマッチングサービスを利用することで、足りないエンジニアのリソースを補うことができます。
ビジネスマッチングサービスは企業の売りたいと買いたいを結びつけるマッチングサービスです。ビジネスマッチングサイトやビジネスマッチングアプリなど、互いにマッチするニーズを持った企業や個人が集まるプラットフォームを利用することでビジネスパートナーを募集しやすくなります。
自社のエンジニアでITの案件を取りたい企業とマッチングすることができれば、エンジニアを必要としている業務を進めることができるようになります。
イベントや交流会に参加する
イベントや交流会に参加する方法もあります。勉強会や交流会、ピッチイベントなどエンジニアが多く参加しそうな場に出向き、採用できそうなエンジニアを探す方法です。
イベントの後に懇親会などが設けられている場合もあるため、エンジニアと知り合うきっかけとなる可能性があります。
知り合いに紹介してもらう
事業の立ち上げメンバーや前職時代の知り合いなど信頼できる人からの紹介も、エンジニアの採用方法として有効な手段の一つです。
採用前にエンジニアのスキルについて知ることができるため採用後のミスマッチが少なくなります。また、知人からの紹介となるため採用手数料などのコストがかからないというメリットもあります。
紹介してもらえそうな知人がいる場合には、話を聞いてみると良いでしょう。
エンジニア採用に必要な手順
エンジニアの採用に必要な手順を紹介します。
- 求める人物像を設定する
- 採用要件を決める
- 労働環境を整える
求める人物像を設定する
まずは採用したいエンジニアの人物像を設定します。性格やスキル、経験を明確に設定することで、ターゲットとなる求職者像が明確になるため、最適な採用手段やプラットフォームを選びやすくなります。
また、求める人物像を設定することで求職者へのアプローチ方法や面接内容などの採用戦略を立てることができます。
採用要件を決める
求める人物像が決まったら、採用要件を決めます。求人倍率の高さなどからエンジニアの採用は多くの企業が苦戦しています。リーチを増やし採用の可能性を高めるためにも、高いスキルを持っていなくても応募してもらえるよう「採用後の育成条件あり」など条件を緩和しつつ採用要件を決めると良いでしょう。
労働環境を整える
エンジニアを採用するために、各企業がエンジニアの給与や労働環境を整える準備をしています。リモートワーク可能・フレックス・副業可能などエンジニアが働きやすい労働環境を整えることで、労働条件を魅力の一つとすることができると良いでしょう。
スタートアップ企業がエンジニアを探すならビジネスマッチングサービスがおすすめ
スタートアップ企業の中でエンジニアの採用に苦戦している場合には、ビジネスマッチングサービスの利用がおすすめです。
これまで紹介してきたように、近年のエンジニアへの需要の高まりからエンジニアの求人倍率が高くなっており、エンジニアを採用するのは難しくなっています。
エージェントへの登録やリファラル採用など正社員の採用に向けてできることはやりつつも、業務委託やアウトソーシングでエンジニアが必要となる業務を進めるための方法としてビジネスマッチングサービスが利用できます。
すでにエンジニアが必要となる自社サービスの構築などが決まっている場合は、事業内容に共感するビジネスパートナーや、エンジニア案件を探している企業とマッチングすることで業務提携やアウトソーシングを行い、自社に足りないエンジニアのリソースを補うことも可能です。
また、エンジニアの採用に強みを持つ転職エージェントなどとマッチングすることも可能なため、ビジネスマッチングサービスを利用して正社員採用を進めることも可能です。
スタートアップ企業がエンジニアの採用について相談するならレスターマッチングサービス
エンジニアへの需要の高まりから採用が難しくなっていますが、ビジネスマッチングサービスを利用することで、自社のニーズにマッチする多くの企業とマッチングできる可能性があります。
ビジネスマッチングを利用し、業務委託や事業提携なども視野に入れながら採用を進めることで、アプローチできる幅が広がります。
また、利用することで担当者がついて最適な企業選びをサポートしてくれるため、自社で採用を進める手間が省けます。
「レスターマッチングサービス」は、コンサルティング型のビジネスマッチングサービスで、担当者が企業の課題をヒアリングし最適な企業候補の選定から解決策の提案まで行います。
独自のネットワークに加え、他のビジネスマッチングサービスのデータベースや金融機関との連携により幅広い企業を紹介することが可能です。
マッチング成立後も口座開設支援や商品の受発注業務、物流業務などを行うことが可能なため、ビジネスパートナーの提案からマッチング、実務領域まで⼀気通貫でサポートします。
レスターマッチングサービスは月額型の料金形態を採用しており、マッチング前の自社情報の掲載段階から取引開始まで、一気通貫でサポートできる体制が整っているため、初めてビジネスパートナー探しをする方でも安心して始めることができます。